2021年10月9日土曜日

南海トラフ地震は過去にも起きている

南海トラフ地震は必ず起こる


南海トラフ地震という予想があることは多くの方がご存じでしょう。

しかし、南海トラフ地震というのが、本当に起こると思っている人は意外と少ないのではないでしょうか。3.11と言われる東日本大震災が起こった後くらいから話題になり始めたため、多くの人が、他の地震予測をして話題にしているくらいにか捉えていないようにも思います。


正直、私自身もそのように感じていて、南海トラフ地震については動画のオススメに出てきたとしても、華麗にスルーしていました。しかし、元来歴史を学ぶのが好きな私は、そのうち南海トラフ地震の歴史についても学ぶことがありました。そしてタイトルにある通り、南海トラフ地震という巨大地震は「必ず起こる」という驚愕の事実を知ることになりました。

2021/10/22 追記
非常によくできた動画を発見しましたので、この記事に追記する形で紹介しておきます。過去に起きた南海トラフ地震を年代と規模、震源地などが視覚的に分かる、非常に素晴らしい動画だと思います。



今回は、そんな歴史が証明している「南海トラフ地震」について取り上げてみます。

南海トラフ地震とは幻想ではない


冒頭にも少し記述しましたが、南海トラフ地震というのは、科学者たちの妄想でいわれている地震予測ではなく、「歴史が証明している必ず起こる地震に対する警鐘」です。

起こらない地震を怖がるとか、どれだけ怖がりなんだとか、そういう幻想は捨てましょう。

何度も書きますが、これは歴史上繰り返されてきている「必ず起こる地震」です。問題なのは周期・時期と、その規模がどの程度になるかということで、起こることは確定事項なのです。


実際に発生してみるまで、その規模や被害などは分かりませんが、地震自体は歴史上何度も発生しています。直近で有名なのが「宝永地震」と言われる江戸時代の地震です。

南海トラフ地震の直近は300年前の「宝永地震」


宝永地震というのは、1707年の10月に、南海トラフという紀伊半島の南側で発生した大きな地震の事です。

この地震の49日後には、富士山も大噴火をしていて、そちらは「宝永大噴火」として歴史に記録されています。


地震の規模を示すマグニチュードは、8.4~9.3という推測がなされていて、震度は7を超える地域が多くあっただろうと推測されています。記録が不確かではありますが、犠牲者も多く出ており、その人数は5000人から20000人となっています。

東日本大震災と同様、地震自体による被害よりも、地震によって発生した津波によって大きな被害が出たとされています。多くの地域に10m弱の津波が襲い掛かり、土佐では最大26mもの巨大津波が到達したともされています。

南海トラフ地震の前には「関東」で地震が発生している


この宝永地震の前には、興味深い現象が記録されています。

それが、この地震発生前に「元禄地震」という現在の首都圏に位置する関東を震源地として地震が発生していることです。南海トラフ地震である「宝永地震」の4年前に発生しており、この地震は「相模トラフ巨大地震」に分類されています。

南海トラフ巨大地震の前に、関東で地震が発生していたというのが歴史の記録です。

1703年の12月に、宝永地震に先駆けて発生したこの元禄地震でも、多くの被害が発生し、その死者数は6700名と記録されています。


関東地方は、元々地震が度々発生する地域でも知られていて、我々の世代でも大正時代に「関東大震災」があったことは、非常によく知られています。しかし、それよりも前に起きた関東での地震が、後の南海トラフ地震に繋がっているという歴史については、あまり知られていないように思うのです。

南海トラフを「恐れすぎ」とか思うのは間違い


南海トラフ地震というのは、フィリピン海プレートとアムールプレートによって発生するとされる巨大地震の総称です。

これは、未来を予測した推論ではありません。

歴史的にみると、南海トラフを震源とする地震は、およそ90~150年周期で発生している、必ず起こることが予想される地震です。西暦1000年ころから実に千年以上の間の記録から、現在は100年周期か200年周期かと議論されていますが、その中に「発生しないという意見などない」のです。

問題なのは、直近の大きな被害を出した「宝永地震」から既に300年近く経過しているのにも関わらず、大きな地震が発生していないことです。


地震が発生していないことは良いことのように思いますが、地震のメカニズムを知っていると安易に安心できないことは分かります。プレートの歪によって起こる地震というのは、その時に溜まったエネルギーが放出されて地震が発生するわけで、頻度が多ければそれだけ蓄積されたエネルギーは小さくなります。逆に、頻度が少なくなってしまうと、その間に蓄えられたエネルギーは膨大で、地震として現象が発生した時には、その規模が想像を絶するものになってしまうからです。

今回300年も沈黙している南海トラフのプレートが、次に地震を発生した際には、その長い間に蓄積されたエネルギーからも、その地震規模はかなり巨大なものとなってしまうという予測がされているのです。

我々の一生は短い。歴史を知ろう。


私たち人間は、科学技術の発展も相まって、非常に長い期間生存することができるようになってきました。100歳を超える方々も多くなり、平均寿命も50歳と言われていた時代から伸びに伸びて、今は80歳を超えるくらいまでになってきています。

しかし、私たち人類は所詮100年も生きられない生物です。

歴史上から見ると、人の一生は非常に短く、地球規模では一瞬なのです。

地震という地球規模での現象は、人間の寿命などは考えてはくれません。そして南海トラフ地震のような巨大地震は、100年とか200年の周期でやってくるのです。多くの人はこの地震を体験しません。5世代から10世代毎に経験するくらいでしょうか。


私たちは、学校やインターネットなども含め、自分の人生の中で様々なことを知り、学びます。しかし、その経験で得られた知識は、所詮一人の人生で得られた短い一生の中での狭い世界観である事を理解すべきでしょう。

人の一生は短いですが、我々には記録を残し、後世に伝える技術があります。

先人が残してくれた、数々の有用な記録を知り、私たちの生活や未来に役立てるべきで、南海トラフ地震もそうして予測されている地球規模の災害である事を知るべきなのです。

富士山の噴火も同じく200年周期で起きている


ちなみに、宝永地震が発生した49日後には富士山が噴火して、その噴火を「宝永大噴火」ということは少し触れましたが、富士山も定期的に噴火していることを知らない人もいるでしょう。

何しろ、私たちが生きている間には、富士山は噴火しない只の山だからです。

ですが、富士山は紛れもなく「火山」です


富士山は、過去に何度も噴火していて、周辺を溶岩が流れ、広い範囲に灰を降らせて被害をもたらしているのです。美しい風景と、和やかな自然をイメージする富士山ではありますが、それと同時に人の幸せを奪う可能性のある危険な火山でもあるのです。

富士山の噴火は、大体200年周期で発生していましたが、南海トラフ地震と同様に300年間ほどは噴火した記録がありません。

地震のプレートエネルギーと同様に、火山の溶岩の蓄積についても、期間が長ければその蓄積量は増大することになりますので、次の富士山の噴火は我々の歴史上で最も大きな被害が予測されています。


まとめ - 我々はもっと歴史を学ぶべき -


今回は、歴史の中でも私たちが成す術もなく自然の力を思い知ることになる災害について取り上げてみました。

特に「南海トラフ」地震については、妄想の類の予測ではなく、歴史的に発生することが確定していて時期が分からない巨大地震、という認識を持つべきだと考え、今回改めて記事にしてみた次第です。

実は、この執筆の少し前に東京で地震が発生しました。震度は5くらいで、人的に大きな被害が発生した訳ではありませんが、水道管や線路網など、インフラ関連では被害が出ていて、生活には支障がでているようです。


宝永地震が「関東の地震が発生した4年後」に起きたことを考えると、いよいよ南海トラフ地震についても怖いなと感じる私がいます。歴史を知らない人は、目の前の災害に対して憤ったり、恐怖したりという程度で済むのかもしれません。しかし、歴史を知ると、その目の前のニュースの捉え方についても変わるかもしれません。恐怖を煽る必要はありませんが、日本の報道についてももう少し建設的な情報を含めて欲しいと思うばかりです。

私たち日本人は、もっと歴史を学ぶ必要があると、改めて思うのでした。



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