2022年6月23日木曜日

逆から中国経済の形式に近づくベーシックインカム

ベーシックインカムと鄧小平の共通点


今回は経済のお話です。

執筆時点は2022年6月23日で、日本では2022年7月10日の参議院選挙が近く、各党から候補者が発表されたり、政策を発表したりと、各報道やYoutubeなどでも政治の話題が多く飛び交っています。

そんな政治の話題の中で、日本維新の会とか2chで有名なひろゆきさんなどが導入すべきと訴えるベーシックインカムについては、個人的には賛成で、今後日本の新しい強みを生み出す起爆剤にならないかと期待しています。


さて、ベーシックインカムの導入について考えて行くと、個人的には中国の鄧小平が思い出され、今回は経済システムの改善を進めることで、日本も中国も同じような経済システムになっていってくのではないかという考えをまとめていってみます。


ベーシックインカムとは


ベーシックインカムというのは、日本国内に様々ある生活保護などの保障制度を一元化し、全国民に一律で最低限の生活ができる金額を支給する制度です。

国民は生活を保障された上で、それぞれ通常通り働いて収入を得ることができます。収入がなくても最低限の生活ができることになるため、利益がでるかどうか不明確な事業への挑戦が可能となり、新しい産業が勃興する可能性がありますが、それと共に人々が労働意欲を失うのではないかという懸念もあります。


日本維新の会や国民民主党などは、ベーシックインカムとして国民に一律毎月10万円程度の支給をするのがよいとしているので、賛成の人は今度の参議院選挙で投票してみてはいかがでしょうか。


鄧小平とは


鄧小平というのは、中国の共産主義の中に部分的に資本主義経済を取り入れることで、国全体を成長路線に乗せた人として有名な人です。

共産主義は人々の労働の結果を国が集め、その利益を国民全員で等分するという経済思想ですが、実際に実施してみると国全体の生産性は著しく失われ、経済活動は縮小するばかりでした。


鄧小平の改革によって、お金を儲けて裕福な暮らしを目指したいと考える人たちを中心に、経済活動は活発化し、新しい事業が次々と巻き起こり、設定された経済特区には多くの海外企業が誘致されて、それまでの中国とは別次元の成長をしはじめます。

この中国の発展は現在も続いており、今となっては世界有数のIT企業も多く、情報産業では世界一ともいわれるほどに成長しています。


資本主義から社会(共産)主義へ


資本主義は、個人が労働してその利益を個人が受けることができる経済システムです。
共産主義は、個人の労働利益は国のものとなり、利益は国民平等に配分されます。

社会主義は、共産主義を目指して進んでいる途中経過の経済システムとされます。

日本やアメリカ、イギリスなど先進国家の多くは資本主義を採用しており、私たち日本人は非常に馴染みのある「普通の経済システム」です。稼いだもの勝ちの社会です。

社会主義を自称している国は、現時点では中国・北朝鮮・ベトナム・ラオス・キューバの5か国とされています。意外と日本から近い国が多い印象です。

共産主義は、元々経済学者のマルクスの資本論という本に影響を受けて、レーニンがロシアで革命を起こしたことから、国家の経済システムとしての運用が始められているため、歴史としてはそれほど長くはありません。


このレーニンの革命時期は、日本とロシアが日露戦争をしていた時期でもあり、日本が戦争に勝利したことでロシア国内の情勢は不安定となり、レーニンの革命を成功に導いた一つの要因でもある事は、日本人としても非常に興味深い歴史です。

改善を求めたデモを軍事力で制圧した天安門事件


共産主義思想に感銘を受けた中国の毛沢東は中国共産党を率い、中国国内で中国国民党と軍事衝突することになります。(国共内戦)

国共内戦を制した毛沢東は、自身の理想である共産主義を急速に実行していきます。その結果、中国国内では多くの餓死者がでるなど多くの犠牲が出た上に、経済的にも力を失っていきます。

中国国民は、同じ共産主義国であったロシア(当時ソ連)でゴルバチョフが推し進める改革に賛同するものが多くではじめ、中国共産党の独裁政治を変えて裕福な生活を求める国民が天安門に集まってデモを始めます。このデモは、中国政府に軍事力で制圧されてしまい、残念ながら多くの犠牲者が出てしまいます。(天安門事件)


日本人としては、より良い国づくりを目指してデモをしたら、戦車が出てきて殺される社会は怖すぎると感じますが、逆に政府側としては、理想の政治を求めて努力している最中なので、政治の安定化のために暴徒と化した国民を抑えるしかなかったのではないかと、個人的には思ったりもします。

改善すると同じ結論に近づく経済システム


鄧小平は、不満が高まる中国国内を改善するための制作を次々と実行していきますが、その中でも部分的に資本主義を取り入れたことが、今の中国の発展に繋がっているため、歴史的にも非常に重要な役目を担った人物です。

ベーシックインカムの話に戻しましょう。

資本主義は、個人が稼いだものが裕福になる非常に理にかなった経済思想ですが、病気を患って働けなくなると収入がなくなり、生きていくことができません。そのため、国としては生活保護のような、弱者を救う制度を設けて対策をしています。生活保護のような社会保障制度は、資本主義よりも共産主義思想が非常に強い政策といえます。

ベーシックインカムは、生活保護などの社会保障制度に代わるもので、経済弱者に限定せず全国民の生活を保障する制度です。個人の経済活動に制約はないため、日本は制度導入後でも資本主義には違いありません。

しかし、結果だけ考えると、労働の必要性には違いがありますが、現在の中国とベーシックインカム導入後の資本主義は、非常に似た形になると感じます。

産主義的に人々の生活を守りながら、その上で資本主義的に経済を動かしていくという経済システムが、資本主義と共産主義を超えた、新しい経済システムなのでしょうか。非常に興味深いと感じるこの頃です。


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