歌唱の上手・下手の境界線
今回は、歌唱(歌うこと)について取り上げてみます。
日本ではカラオケや音楽番組などで、昔から日常生活に歌が溶け込んでいて、人々の生活を豊かにしています。多くの人が、学校でも歌を習い・歌いますし、友人たちと一緒に歌ったりしてストレスを発散したり、盛り上がって楽しんだりと、色々な場面で音楽や歌と触れ合います。
私もそうした人たちと同じように、最近ではYoutubeなどでオリジナル・カバー含めて色々な歌を聴きます。中でもお気に入りの動画は、Loop再生をしたり、自分専用のプレイリストに登録して何度も視聴するものです。
ですが、何度も聴くかどうかには、曲の好み以外に「明確な境界線」が自分の中にあります。人それぞれだと思いますが、参考までにそれを書き出してみます。
上記画像、驚くほど綺麗で大好きです。「境界線」で画像検索して出会いましたが、即惚れしました。ニコニコ静画で「ららら」さんの作品です。
聴ける歌の最低条件がある
人によって曲の好みはそれぞれ別でしょうし、歌い手さんの人間的な容姿とか声質とかで選ぶ人まで様々でしょう。
私自身は、学生時代から様々な楽器を触ってきて、実際にバンド活動などもしていたため、一般的な人よりはほんの少し音楽に触れあった時間は長いと思いますが、ごく普通の社会人生活を送ってきた「普通の人」です。
音楽経験者の人には特に、「絶対に許容できない」という一種の性癖のようなものが生まれることがあります。これは、言い換えると「我慢しても聴けない」「生理的に受け付けない」に近い感覚で、好きとか嫌いとかとは別次元です。
この症状がひどい人は、例えばライブ音源の演奏で、弦楽器のチューニングが半音ずれているだけで耐えられない人や、歌のリズムやテンポが16分の1でもズレると鳥肌が立って息切れがする人まで、様々な人がいます。
私はそこまで酷くはありませんが、似たような感じで、ダメな曲は絶対に聴けません。まずはその最低条件を見てみます。
音程が正しい
まぁ当たり前ですが、原曲の歌唱音程ライン通りに綺麗に歌えていない曲は、聴くに堪えません。百歩譲ってアレンジだとした場合でも、その曲に許されているキーの音の中で、美しいところに音を置けていないのであれば、同様に私には無理です。
これは結構私の中では致命的です。「音がズレた歌は聴けない」のです。いや、相当の我慢を強いれば、物理的には可能ではあるでしょう。
このことが原因で、ほぼ全ての歌のライブ配信やライブ楽曲は観ることが出来ません。音楽としてでなく、パフォーマンスが派手で観ていて楽しいものは、歌の注意が削がれて可能かもしれませんが、最近のYoutuber/Vtuberなどの歌枠的なものは、ほぼ壊滅です。
どんなに上手な歌手であったとしても、ライブで音を寸分違わず歌いきることは容易ではないでしょう。可能性にかけてライブ動画を開いてみることはありますが、ズレた音が1音でも聞こえたら、私には即ブラウザバック案件なのです。
リズムの粒が揃っている
これは特に多くの楽器経験者が思うことかもしれません。
最近の曲にはトリッキーなリズムで注意をひいてみたり、昔からある技法ではありますが、一つ前の小節に歌いだしがポンと置いてあるなど、歌う際にちょっと気を付けないといけない音符というのがあったりします。
それらも含めて、ズレが少しもない状態で歌ってないと耐えられません。小節の頭が遅れるとか個人的には論外です。
それに意外と気になるのが「休符」です。音と音の間の休符を歌えていないものが耐えられないこともあります。常にではなく、その休符のもつ意味合いが強いときは、気になって無理なことがあります。弦楽器や鍵盤楽器の奏者は、ミュート意識が高そうなので、特に気になるのかもしれません。
これも、一曲の中で、16分の1でも、いや32分の1でも粒が揃っていない音が聴こえたら、残念ながらその曲を聴くことはできません。
最低条件をクリアしていない歌は聴けない
上記2つの最低条件は、好き・嫌いではなくて、絶対に聴けないのです。申し訳ないことに、お腹が痛くなるか、汗が出るのか分かりませんが、とにかく無理なのです。
もの凄い話題となっている曲や、恐ろしく再生回数が多く人気の歌でも、そういう音が聴こえた場合は、私には無理で、そっと見なかったことにして再生を終了します。
多くの場合、MV(Music Video)になっているものは安心感をもって視聴することができます。それでも歌い手さんの意識レベルや予算のせいか、稀にこれをMVの音源にするのかという疑問を持つほど、品質の低いMVとも結構出会います。
そういう品質の低いMVを上げているチャンネルの動画は、ほぼ永久的に見なくなります。
MVという撮り直し・加工が可能な音楽であってさえ、音程・リズムが正しくない品質のものを生み出す体制で、その他の動画の品質が期待できるとは思えないからです。
その上で上手な歌とは
さて、ここまでは私の中の聴く上での最低条件の話をしてきましたが、ここからは上手だと感じる歌について書き連ねてみます。
最低条件をクリアする曲なんて、プロを含めると無数にあるわけですが、その中でも自分の曲の好みの振るいにかけ、残った曲や動画の中から、自分が上手だ・好きだと思える歌を選ぶわけです。
ここでは、曲自体の好みとかについては言及せず、判断材料は歌唱自体についてだけとした場合について論ずることとします。
発声が、喉とか腹とかそういう話題は好みの問題でもあると思うので、あまり触れずにおきますが、声量がある・響く歌声は人を惹きつけやすいし、基本的には好きです。
表現力と言われる歌唱技術
ボイストレーナーとか、声楽の先生などだと違う表現になるのかもしれませんが、一般人の私的には「表現力」という語彙力低めな言葉でしか表せません。
表現力というと抽象的な感じがしますが、突き詰めて考えるとそれは「発声種類の使い分け」なのかなと感じます。
切なかったり憤ったり、曲の中の様々な感情に合わせて、ただ歌詞をなぞるだけではなく、それ相応の発声方法でその心情を表現するということができていると感じれば、それは私の中で上手な歌と感じます。
上手な歌の中にも種類があって、時々「この声どうやって出しているんだろう」と分からない声に出会うことがあります。そういう人は、ただ凄いと尊敬し、その部分のためだけに自分の再生リストに入れて何度も繰り返し聴くことがあります。一つの音符の中で、発生の種類による音の装飾とか、お洒落すぎて即落ち不可避です。
まとめ
最後に、あまり意味のないことではありますが、私個人の境界線で上手・下手の分類を定義しておきます。
- 下手 - 最低条件をクリアできていない (聴けない)
- 普通 - 最低条件をクリア (聴かない)
- 上手 - 最低条件に加えて歌唱技術あり (聴く)
思ったよりシンプルでした。
難しい記事のように見えなくもないですが、音とリズムが正しくて、その上で歌唱技術のある歌を選んでいるという事みたいです。自分としても納得です。
もちろん、歌動画とかの場合は、曲自体や、MVとしての質なんかも実際の評価対象になるわけで、単純ではないのですが。特に、歌が上手でも、曲自体が好きになれないパターンも結構ありがちですし。
そういう意味では、好きな曲のCover動画を漁る方が、自分の好きな曲を集めるには効率が良かったりします。私の再生リストには、稀に同じ曲が違う歌い手で2回以上登録されている場合もあったりします。
私のすぐ後ろにある電子ピアノには長いこと触れていなかったりしますが、何にせよ、音楽は素晴らしい、心からそう思います。
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