2021年9月24日金曜日

地球温暖化の対策に食事改善 | 家畜による温室効果ガスとヴィーガン

event_note9月 24, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

異常気象の原因が食事にもある事実


執筆時点は2021年ですが、最近何かと史上最大の異常気象というニュースを見かけます。

この見たこともない異常気象は、専門家たちの見解では「人間の活動が原因した地球温暖化」であることをご存じでしょうか。地球温暖化というのは、ただ単に地球全体の気温が高くなるということではなく、地球の気温が上がることによって、予測不能な気候変動が発生するということなのです。


私たちにできる地球温暖化対策として、エアコンの設定温度を調整したり、車の使用を控えるといった、身近な問題に取り組んでいる人も少なくないでしょう。

今回は、そういった地球温暖化について興味のある方を対象にした、食事でも対策できる方法を紹介しようと思います。

畜産農家の方を困らせてしまうかもしれず、あまり報道などには乗りにくい話題ではありますが、純粋に多くの人に事実として知ってもらう事が大事と考え、記事にしています。

家畜による温室効果ガスは世界の16%


まず地球温暖化は、地球上に排出される温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)が原因となっていることは多くの人が知っていることだと思います。

そのため、世界中で車の排気ガスに含まれる二酸化炭素を削減するため、2035年、2050年と区切りをつけてガソリン車の撤廃に動いているわけです。その他にも石炭発電所(火力発電所)を減らそうと、各国が協調しています。(残念ながら我ら日本は、石炭発電所の技術を途上国などに積極的に輸出している戦犯国の一つです)


しかしそれよりも多くの温室効果ガスを排出しているのが「家畜」に関する分野である事をご存じでしょうか。


世界に排出される温室効果ガスの割合は、自動車 13%、畜産 16%と、家畜に関しての方が割合が多いのです。

特に牛が他の家畜の100倍以上の排出量


これは意外と知られていませんが、家畜の糞尿の処理や飼料の運搬なども含まれますが、その中でも牛の「ゲップ」も大きな問題なのです。牛は反芻という独特の消化方法をもっており、この過程で「メタン」という二酸化炭素の5倍も温室効果がある気体を生成し、ゲップという方法でそれが排出されています。

他にも豚やニワトリなど様々な家畜が人間の手によって育成されているわけですが、牛はそれら家畜に比べて100倍近い温室効果ガスを放出します。また、乳牛と肉牛を比べると、乳牛の方が倍近い放出量です。


つまり、我々が普段食している肉や乳製品を供給するために飼育されている「家畜」が温暖化を促進しているのです。近年人口が激増したことも相まって、この需要は高まる一方で、森林を伐採して畜産農場にしているアマゾンなどでは、森林の面積が30%にまで減少しており、それも温暖化を急速に進めている要因の一つと考えられています。

肉食禁止が難しければ少し減らすだけでも


我々が肉、特に牛肉を食べたり、乳製品を接種しない食生活をすることで、需要を減らし、間接的に供給量が下がっていく方向で人間社会を動かしていければ、地球温暖化対策に貢献ができる、ということです。

ですが、やっぱりお肉は食べたいものです。

無理をすると続きません。一気に食生活を変えてしまうと普段の生活に支障が出る場合もあるでしょう。そんな時でも諦めず、少しづつでも消費を抑えるといった活動をするだけでも、全体的な需要を低下させることに貢献できます。


1週間に一度は料理にお肉を使わないとか、牛丼食べたいけど今日は他のものにしておこうとか、できることをホンの少しづつ実行するのです。そういう考えの人が多くなれば、人間社会全体では大きな力となります。


「ヴィーガン」について


この食生活から「肉」や「乳製品」などを禁止する思想を持った人たちは、古くから「ベジタリアン」として認知されていました。これらに加え、魚や蜂蜜などを含む食制限を行う人たちを「ヴィーガン」(完全菜食主義者)と言います。

ヴィーガン(Vegan)はカタカナでビーガンと表記されることもあるようです。

この思想自体は、地球温暖化がここまで注目されるようになるよりももっと古くからあるものですが、最近は特に注目されるようになってきており、この思想に傾倒したり、代替肉(豆原料など)の企業に投資するなど、多くの人が興味を持って活動しています。


日本の代表の小泉環境大臣が2019年に、ニューヨークの国連会議でのインタビューで「毎日でもステーキを食べたい」と発言したことで、世界中で炎上し、話題となったことも一部環境問題に興味のある人には有名なお話です。

ヴィーガン思想の根源 4種類


最近では、「ヴィーガン」を知るキッカケが地球温暖化対策な人が多いと思われますが、そもそもこの思想自体は古くからあるものです。

思想自体は古いもの(1944年ころから)ですが、実は現代の人たちに理解されやすいもので、それも相まって最近多くの人が思想に共感していっているのだと推測されます。

全部を列挙してしまうと複雑になってしまうので、思想の肝の部分だけを4つほど抽出して記載しておきます。中田さんのYoutube動画を多く参考にしていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。非常に分かりやすく解説されています。


1. 地球温暖化


ここまで述べた温暖化の対策として、最近注目されるようになっています。

専門家たちの分析によって、温室効果ガス(メタン)の排出量などが、他分野と比べても地球規模で占める割合が大きいことが科学的に数値化されたことで、一層の注目をあびることになっています。


そういう意味では、最初からこの思想に含まれていたかどうかは少々疑問ですが、現在は温暖化/気象変動の対策としてヴィーガンの思想は有効と考えられています。

2. 飢餓


地球の人口は、ここ40年ほどで爆発的に増加していっており、現在はなんと70億人を超すほどになっています。

その人口のうち、7億人以上(約10%)が飢餓に苦しんでいることはあまり知られていません。国が貧困状態にあるなど様々な要因はあるかと思いますが、同じ人間でありながら、食事をすることもままならない人たちが大勢いるのが現状です。


しかし、人間社会で生産される穀物の量は、現在の人口全ての倍以上を養うことが可能なものなのです。ですが、飢餓の人たちには届きません。どこに消えているのでしょうか。

それは「家畜の飼料」です。

「穀物を家畜に与え肉を生産し、裕福な国民が食事を楽しむ」一方で、食べる穀物すら食せない人々が大勢いる、それが現在の人間社会です。

3. 倫理観


裕福な日本で生活していると、いつでも近所のスーパーにお肉が並んでいて、好きな時に肉を食すことができます。しかし、どうやってそれらの供給が行われているのか、我々はあまり考えません。

その悲惨な生産現場は、英語でFactory Farm(工場式農場)と呼ばれています。


生物をまるでモノのように扱い、狭い中で動けない状態で飼育され、育ったところで機械的に流れ作業で殺されて処理され、我々の食べる肉へと加工されているのです。そこには、我々が想像するような「ほのぼのした農場」風景はカケラもなく、ただ残酷な「生物虐殺場」があるだけです。

動物に特別な愛護の心がなくとも、この現状を知った人は、さすがに精神的に苦しくなるはずです。多くの人は目をそらし、考えないようにしますが、ヴィーガンの思想はその問題に対して真摯に向き合っているのです。

4. 健康


実は人間は肉を食べなくても問題なく生きられるのです。ベジタリアンがいるわけだし、そのことは知っているという人も多くいると思いますが、では以下はご存じでしょうか。

「日本で肉を食べる文化が一般的になったのは明治時代以降」なのです。


魚など、現在ヴィーガンの思想では食べないものでも、古くから日本でも食を支えてきましたが、牛肉などの畜産物を食事で摂取するようになったのは、明治以降に都市部で「すき焼き」などとしてからで、広く食肉文化が一般層に浸透したのは戦後の昭和時期からです。

我々の普段の食事は、「最近」始められたもので、その頃から爆発的に家畜が増えはじめ、温暖化も加速した、とされるのです。

食べなかった時期にも人間は問題なく活動しており、健康上の問題は何一つないのです。

まとめ - 出来ることから始めよう


今回は地球温暖化/気候変動の対策として、食事改善/ヴィーガンについて取り上げてみました。私自身も非常に興味がある問題です。

自分自身はヴィーガンになったとは言えない状態ですが、可能な範囲から始めていこうという気持ちにはなっています。思想的には全面的に理解/賛同しているつもりです。むしろ否定する要素が何一つないですし。

今回のこの記事が、多くの人に興味を持ってもらえ、一緒に温暖化対策をしていってくれる、また考えていってくれる人が増えることを願っています

この温暖化対策は、年配の方よりも若い方々の方が真剣に考えている気がします。以下の討論動画も参考までに置いておきますが、若い方なのにできることから着実に行っていっている行動力は尊敬に値します。



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