2021年9月22日水曜日

選択的夫婦別姓に反対な訳

event_note9月 22, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

選択的夫婦別姓は止めて欲しい


今回は日本の政治で何かと話題に上がる「選択的夫婦別姓」について取り上げてみます。

女性の社会進出に伴い発生してきた問題についての解決策として、長い間議論を繰り広げられています。結婚後に男性側の氏に強制的に変更となってしまうことで、それまでの社会的な地位や立場を持った女性に、様々な不利益が生じるということです。


この政策については賛成派と反対派に分かれて、現在も様々な議論が行われているわけですが、至って個人的な感想みたいなものを記録しておこうと思い、今回の記事に至っています。

選択的夫婦別姓とは


詳しい説明が必要な人は、法務省等に詳しい情報があるのでそちらをご覧になるのが良いかと思いますが、ここでは簡単にだけ説明を記載しておきます。

選択的夫婦別姓とは、婚姻後に同じ姓(氏)を名乗る以外に、結婚後に夫婦で別々の姓を名乗ることが選択できるようになる制度の事です。


別々の姓の場合、生まれた子供はどちらかの氏を名乗ることとなり、その氏は婚姻時に決定するとされます。また、成人した際には家庭裁判所の許可は要りますが、氏の変更が認められます。

別々の氏であっても、通常の婚姻と同じ扱いとなります。

以下リンクは、法務省の選択的夫婦別姓のQAページです。


夫婦の問題だからこの法案は良いとかいう思考停止


これだけ見ると、この夫婦別姓というのはお互いの夫婦だけの問題のように見え、賛成する人の多くは自分に影響がないと思っていることでしょう。

正直、夫婦が別姓のままで活動することには賛成です。
会社で旧姓のまま活動し続けたい方もいらっしゃるでしょう。

ですが、子供の姓(氏)については話が別です。

これまでの生活の中で、自分は別姓に関係なくとも、間違いなく影響を受けることが容易に想像できます。これは日本人ならではの「恥」とか「失礼」といった文化的な概念に特に影響するのではないかと思っています。

反対理由1 - 気を遣うことが絶対増える


もし選択的夫婦別姓制度が施行されると、夫婦や親子が別の性を名乗っていることがありえることになります。良く知っている仲で、既に別姓である/別姓でないことを知っている間柄であれば、これまでと大差ないでしょう。

ですが考えてみてください。

結婚の祝儀の名前を書いたり、席次表に類するものに夫婦で招待した場合、子供さんの出産祝いなど、名前に関するものすべてにおいて「姓は何だろう」を考える必要が生じるのです。


そしてそれを間違えるということは、相手に対して非常に失礼になることは言うまでもないでしょう。何かにつけて、女性の名字を呼ぶことに注意しなければならないのです。

これまでの制度であれば、旧姓で女性を呼んでも、そんなに失礼には当たらないし、多くの女性はそのことを不快に思ったりはしないでしょう。ですが、夫婦別姓が導入後は、戸籍上も含めて旦那さん側の名字になってはいないのですから、相手によっては失礼でしょう。冠婚葬祭などの場では猶更のことです。

反対理由2 - 親子関係が分かりづらく


保育園や幼稚園は特にですが、小学校その他未成年の子供と親の関係が、名前だけで判断できなくなることも問題になりそうです。学校関係だけではなく、病院などでもそうでしょう。

これまでは、男親でも女親でも、子供と同じ苗字なのですから、名前を見たり聞けば判断できたことが、施行後は本当に親子関係にある人なのかは名前だけでは判断できない場面が多くあるでしょう。


今も厳密な親子関係の確認がされている場合は問題ないでしょうが、これまで運転免許証などで済んでいた身分証明が、もしかしたら戸籍抄本などが必要になる場面が出てくる可能性もあるのではないかと危惧しています。

子供も、親の姓を二つ覚えなければならないとか、自分と片方の親が名字が違うとか、慣れの問題なのかもしれませんが、もう同じファミリーじゃない感じがします。まぁファミリーネームが違うわけですし当然なのですが。

反対理由3 - 身分査証系の犯罪が増えるのでは


法整備が整いきるまでの間、身分の確認などが煩雑になった各現場では、子供の親である確認を怠り、不審人物に情報を流したりなど、色々な犯罪行為が行われる可能性も否定できないのではないでしょうか。

何しろ、これまで100年以上かけて、婚姻後の戸籍では夫婦同姓、子供はその姓を受け継ぐという前提で法律が組みあがっているのです。

そこに「選択権」が付くのです。


完全に全部が別姓に置き換わるのなら構わないのかもしれません。ですが、元の状態を維持しつつ、新しい別姓のパターンが追加され、それらが並行して存在するのです。組み合わせ的に、法整備は2倍ではなく、3倍以上のパターンを用意しなければならないはずで、末端の条例や会社内でのルールなどを含めると、天文学的な変更となることは明白です。

そこにもしも穴があれば、その欠点をついた犯罪が横行するだろうという、単純な予測です。

高市 早苗氏の案 - 個人的には賛成


2021年9月時点では、自民党総裁候補として名乗りを上げておられる「高市 早苗」さんが、本件に対する代案を提示されています。

それは、「通称」として「旧姓」を名乗ることを、一般企業達にも認めさせ、その受け入れを義務付けるといった趣旨の折衷案のような内容です。


これの素晴らしいところは、既存の法令をそのまま生かせる点です。

また、倫理的な所でも、女性は戸籍上旦那さんの姓になっているものの、社会的には旧姓をしようしており、冠婚葬祭などでは、「どちらの名字で呼ばれることになっても正しい」ということになります。呼ぶ側も呼ばれる側も何も気にする必要がありません。

この折衷案ならば、上記不安要素を全てカバーできていて、個人的には賛成です。

以下AbemaのYoutube動画ですが、高市早苗さんが本件について色々回答されています。
その他の出演者はあまり自分への影響を考えず、「他人事という思考停止」の上で質問をしていて、正直面白みのない討論ですが。

まとめ


選択的夫婦別姓ではなく通称で何の問題があるのでしょうか。それこそ意味が分かりません。

結婚した友人宛にお祝いの手紙を送るのに、名字確認するような世の中は正直生きづらいのですが、本当に皆さんこんな法令を望んでるんでしょうか。

まぁ私は結婚して子供もいてその名前的な問題の周知も終わっているし、別姓にしようなんて話は生まれてこの方話題に上がってもいないので、我々には「百害あって一利なし」間違いなしなのです。

ここまで不安要素と反対意見ばかり列挙しましたが、もう周りの結婚もほぼ終えているし、子供の結婚くらいしか影響なさそうなので、どちらでもいいとも言えます。ただ、貴重な国会議員の時間を無駄に浪費し続けるのは本当に時間の無駄だと思います。


会社で認められないのであれば、正直資本主義的な観点でいえば、「労働契約をしない」で終わりですよ。雇用側が条件を提示して、それに合致しないのだから諦めるしかないと思うわけです。

結婚はしたい、でも会社のルールを破るけど元の名前のままがいいとか、普通に「子供のわがまま」なんですが。

こんな話を延々しているから、どんどん他の国に差を付けられるのだと思いますよ。


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