2021年9月14日火曜日

就活 - 企業に選ばれる方法

event_note9月 14, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

就職活動に悩む学生へ


今回は、歴史とか政治から離れ、現代社会で多くの学生が悩みながら取り組む「就職活動」について執筆します。


私は、中小企業ではありますが、多くの学生の採用面接を行った経験もあり、会社経営にも関わる役職で、起業した会社を伸ばすことに注力した、一人のSEだった男性です。そんな男が、どういった人間を最終面接である社長に回したり、採用の会議でどういった人を推していたかという観点から、学生の皆さんにアドバイス的な記事を書いてみようと思ったわけです。

「企業が選ぶ」という本質の理解が重要


私は幸福なことに、自由主義で資本主義な日本という国に生まれ、育ちました。この文章を読んでいる方も、おそらく日本人で同じような環境に育った現代の若い学生たちが多いことでしょう。

高校や大学を卒業する頃には、「どんな会社を選ぼう」とか「採用試験対策しなければ」とか、色々と忙しくしていることだと思います。私もそうでした。


最も大事なことを、最初に書いておきます。

学生と企業との間には、大きな考え方の隔たりがあります。まずはそのことを自覚しましょう。これは学校では習わないことなので、仕方がないことです。いや、社会科の授業などで「原理・構造」は習うはずなのですが、本当の意味での「社会」を理解することは難しいでしょう。

企業はお金儲けをする集団です


資本主義社会における「企業」、つまり貴方がこれから就職をしようとしている相手は、すべて基本的には「お金儲け」をすることを主目的にした集団です。

その上で、「採用」というのは、そのお金儲けをするための人材を確保する「手段」の一つです。これは、資本主義における、起業した資本家と労働者の基本的な関係です。


何を当たり前のことを、と思うかもしれません。

ですが、多くの学生はこのことを本当の意味で分かってはいないのです。これは恐らく、学生の間に「アルバイト」をしたりして、「分かったつもり」になっているからでしょう。ですが、企業側の認識では「アルバイト」と「正社員」は、天と地との差があります。「アルバイト」は言うなれば、事務に必要なノートとかを買う感覚です。ですが、正社員は同じ志を持った仲間・人間です。同じ労働者であっても、まったく異質のものです。

つまり、採用というのは、この人間は同志だろうか、我々の企業が一層儲かることに貢献できる人材だろうか、と見定める行為なのです。

重要なのは「面接」


採用を行う企業によって、「筆記試験」や「面接」が行われます。複数化に渡って様々な試験が行われることもあるでしょう。それは、上述の通りその人の性質を見極めようとしていることに他なりません。


ですが、最も重要なことは「面接」です。

これは、どんな企業であっても間違いなく断言できます。アルバイトの話ではありません。正社員採用のお話です。

筆記試験の扱い


筆記試験に合格しなければ、面接してもらえないのだから、その考えはおかしい、と思う方もいるかもしれません。

確かに、最低限度の学力は必要です。

ですが筆記試験というものの本質は、「基礎学力」の見極めです。分かりやすく言うと、キャラクターのパラメータ数値を知りたい、という行為です。


多くの企業、特に中小企業では、この筆記試験の結果が悪くても面接をしてくれます。1次試験・2次試験と分かれていても、1次試験の結果で切り捨てることをしないことも多々あります。これは、初期パラメータという一つの要素で、その人材の全てを推し量ったことにはせず、「面接」でその人の本質を捉えようとするためです。

しかし、大企業などで候補が多すぎる場合、全員を面接するという時間は、金儲けをしていく上で、費用対効果が悪すぎて実施できないのです。そのため、筆記試験の結果が悪かったものから切り捨て、初期パラメータが良くて、人間的にも良い人だけを「選ぶ」ことにしているのが普通です。

そういう意味で、大企業を目指すのであれば、学力がないと重要な面接にたどり着けないことになるので、最低限度の学力を身に着ける必要がありますが、それは面接という最重要な地点へ到達するための手段の一つであることを忘れてはなりません。

面接で重要な事


さて、無事に面接してもらえるところまで辿り着けたとします。何度も記載した通り、ここが本丸です。

面接で最も重要なのは、「相手の立場になって考えること」です。

学生にはこれが最も難しいことでしょう。特に新卒では、正社員として働いた経験がないのですから。そういう意味で、中途採用はこの経験があり有利ですが、企業側は中途採用の場合は、当然そういう色眼鏡で判断するため、一層厳しい評価基準となります。

「相手の立場」とは一体何か、もう一度最初を思い出してみましょう。


彼ら企業に所属する人たちは、採用担当者も含めて「お金儲け」をすることに必死な集団です。採用という行動ではお金が儲かりません。つまり、お金儲けする時間を割いて自分をみてくれているのです。そのことを理解していれば、採用を行ってくれている担当者の方々に対する「感謝」や、他よりも時間や手間をかけさせてしまった場合の申し訳ない気持ちというのは、ごくごく自然に出てくるはずです。普通の日本人なら。

その上で、面接官に対して伝えなければならないことは何でしょうか。

採用することで企業に与える好影響


結論から言うと、「自分を採用することで、あなた方企業に対してどれだけのメリットがあるか」を示すことです。


厳しい言い方をすれば、それを示すことができなければ、企業にとっては「いらない労働者」です。手を動かす機械としてなら「アルバイト」でいいのです。

最初に言った通り、同じ目的をもった「同志」でなければいけないのです。

しかし、学校の授業では、それぞれの企業の考え方などは教えてくれません。それは、自分で情報を集めるしかないのです。幸いな事に、今はインターネットなどで多くの情報を得ることが可能となりました。殆どの企業が自社のホームページなどで、創立からの歴史や理念、自社の製品についての紹介などの情報を公開しています。

採用を考えている企業については、しっかり情報収集しましょう。

彼らが、どういった考えのもとに、どこを目指す集団であるかを理解し、それに対する自身の考えを持つのです。賛同する場合、どういったところに共感したのか、どの製品のすばらしさに惹かれたのか、を「具体的に示す」必要があります。

その上で、自分はその集団の中で何を成そうとするかを示しましょう。

企業の集団の中で自身が行いたい事


野望のようなものを持つのもいいでしょう。

大きな風呂敷を広げることは分かりやすいアピールになります。その場合、採用する側はその野望について掘り下げてくることでしょう。「どこまで考えているか」と興味を持たれるわけです。その際、しっかりと考えているステップを具体的に返答できれば、仲間に入れてもらえる可能性は高いでしょう。

重要なのは、できるだけ多くのことを具体的に考えること、考えていないことについては、正直にそこまでは考えていなかったと申告すること、です。虚勢を張れば、間違いなく直ぐにバレます。むしろ、「考えが及んでいませんでした。」とし、その点についての改善案・対策指針などを提示できれば十分です。


野望が必要なわけではありません。

製品に対する共感と、自身もそういった製品を共に生み出したいという、分かりやすい欲求からでも好感を持たれることは大いにあります。野望むき出しの人より、扱いやすそう、素直そうという印象を与えることも多いでしょう。

ただし、ただの歯車になろうとする人は、他にも多くいることを忘れてはいけません。この場合は、他との差別化をアピールすることが重要です。人とのコミュニケーションが得意な人や、リーダーシップを持って行動できる・実績がある人は、特に評価されるでしょう。何故なら企業は、要は人の集団なのですから、人同士が円滑に活動できることはとても重要だからです。

IT企業就職について


最後に、IT関連についても言及しておきましょう。

IT時代とも言われる現代社会では、ソフトウェアやハードウェア等、ITに関連する企業も数多く存在しており、それら企業に就職したいと願っている学生も多くいることでしょう。その場合に特に気になることと言えば、「専門技術の習熟度」でしょう。分かりやすく言うなれば、ソフトウェア制作における「プログラミング」などです。ですが、安心してください。


新卒の場合は、初期スキルなど気にしていません。

学生の間にできる、授業や趣味の範囲のプログラムなど、現場のプログラムとはその思想など含め、根本から別次元のものです。そのため、基礎知識などいくらかは役に立つものもありますが、ほぼ無意味です。そのことは採用側も分かっています。ですが必ず「プログラム経験」について聞かれるでしょう。ですが、これも採用側の立場になれば、その質問の意図が読み取れるはずです。

彼らはプログラム初期能力だけでなく、その能力に対する姿勢を見ています。

つまり、企業で働くことになった場合に必要となることが分かっている技術に対する「勉強姿勢」や「問題意識」について、知ろうとしているのです。ここで、「ほぼ役に立たないと書いてあった」とだけ返答すると、不採用です。

確かに、プログラム言語の習得度合いは問題にされませんが、勉強しようとする姿勢は評価対象です。重要なのは、「何を勉強するか」です。言語の細かな文法やAPIについて学ぶのは、正直見えにくく、採用試験では評価されにくいところです。新卒の話ですよ。


新卒の場合、プログラムの構造や、コンピュータの社会に対して、大きなイメージを把握することに努めておく方が良いでしょう。「疑問を持つこと」と「その解消」は良いアピールになります。具体的に言うと、インターネットのブラウザに何故文字や絵がでてくるのか、当たり前のことだと思っていることに「疑問を持てるかどうか」が重要なのです。その疑問を解消することで、「知識」がつき、見える世界が広がっていくのです。新製品、新サービスなども、その原理が「何故」出来ているかを知ろうとすることが重要です。そうすると、採用後に自社製品としてその技術を活用した新しいものなどを提案したり、金儲けへ貢献できることになるからです。

プログラミングやAPIなど、すべてに対するものの見方を、すべて「金儲け」に繋げましょう。この機能を使ったら、こんな事業に活用できる、と考えるのです。それがプログラマに求められる能力と言っても過言ではありません。

まとめ


今回は就職活動、採用試験について、採用側からのアドバイスとして、長々と語ってみました。この考え方が役に立たない企業は少ないと思いますが、残念ながら共産主義的な思想をもった集団にこの考えは全く通用しません。今のところその方針で成功している国はないと思いますが、企業理念でそういった考えを推し進めているところはあるでしょう。

そういう意味でも、企業の情報収集は重要です。

入ってみなければ分からないことも多いのは事実です。ですが、採用試験の場は、自身を評価してもらう場であると共に、企業内の人間と触れ合うことが出来る貴重な場でもあります。いい会社と思って受けた会社でも、「怪しい」とか「違うな」と思った場合は、迷わず身を引きましょう。妥協して入社すれば、当面のお金は手に入るかもしれませんが、きっと後悔することになります。

最後に、この記事が学生たちの役に立ち、また採用試験を行う企業側にとっても、良い人材が多く訪れるようになることを祈っています。


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