2021年の音楽に思う
執筆時は2021年の夏が終わるころです。
私は幼いころから音楽と触れ合って育ち、高校時代から洋楽のロックに染まり、学校の仲間とバンドを組んでよく演奏していました。楽器はドラム担当でした。就職した後も、会社の忘年会などで定期的にバンド演奏をする機会があり、主にドラム担当でしたが、ベースやギターにも手を出し、最終的には電子ピアノに落ち着いたという、音楽は聴くのも弾くのも大好きです。
そんな私が2021年に思う、特に日本の音楽の世界について、まとめてみようと思います。
Youtubeから広がる音楽の世界
私がまだ学生だった頃は、インターネットも普及するかしないかぐらいのころで、音楽については基本的にはテレビ番組や、レンタルショップで視聴するなどで触れるところからでした。
それが今は、圧倒的にYoutubeの存在は大きくなり、多くのアーティストの方が、Youtube上で新曲をリリースし、ファンもYoutubeで音楽を聴き、そして感想などをコメントでフィードバックし、SNSで共有して広がっていくという、完全に異次元な世界に成り代わりました。こんな世界は正直想像もしていませんでした。
仕事でコンピューター、インターネットと隣り合わせな生活をしていても、Youtube上で活動しているミュージシャンがいるという事実は、なかなか受け入れられませんでした。顔も分からず、Music Video(MV)で話題になり、拡散され、多くのファンがいるという事実を理解するのには、かなりの時間を要しました。ですが、実際にそれらの音楽を聴くと、ずっと親しんできていた音楽の世界と変わらないか、それ以上の衝撃を感じることになりました。
テレビでの音楽番組からYoutubeへ
どうでもいいことかもしれませんが、私が学生だった頃は、テレビなどで覚える音楽と言えば歌謡曲で、それらは「カラオケ」で盛り上がるために覚えていたように思います。また、テレビ番組は、音楽だけではなく、アーティストとのトークも合わせて一つのコンテンツとして提供してくれていたように思います。アーティストとのトークを盛り上げるために、ベテランの芸人が司会をすることが多かったようにも思います。
その頃は、純粋な音楽だけではなく、アーティストのトークから溢れる人情というか、性格的なところも、ファンになるかどうかの判断材料だったように思います。ですが、今はMVの綺麗さなどもありますが、その頃に比べて「より純粋に音楽で勝負」しているようにも感じます。
このネット上での音楽提供形態が根付いたのには、Vocaloidも強く影響していると思われます。Vocaloidは、作成した楽曲を歌わせることができる音声合成技術で、このソフトウェアを活用して、様々な作曲家たちがまるで戦国時代のように次々と名乗りをあげて名作を生み出しました。やがて、その作曲家たちが惹かれあう歌い手と出会うことで、奇跡的な大人気グループが生まれてきています。2021年はそんな人たちが活躍している年と言ってもいいでしょう。
YOASOBI
2020年の紅白歌合戦にも初出場したことで、一躍有名にもなったのではないかと思いますが、私も大好きな方々なので最初に紹介します。
YOASOBIは、ボカロPとして、またコンポーザーとしてのAyaseと、シンガーソングライターのikura(幾田りら)による2人組のユニットです。音楽に原作として小説など様々な物語があるという形を取られているのも面白いところです。
個人的には、Ayaseさんの作る曲は、「分かりやすいけど面白さがある」と感じていて、どこか必ず捻った形になっていて耳を引き付けられることが多い気がします。転調のような分かりやすいものだけでなく、ベースラインだったりドラムフレーズだったり、それは曲によって様々です。また、ikuraさんの歌が、「透き通っていて力強く、そして切ない」というか、ずっと聴いていたいと思える歌声です。その歌声が引き付けられるメロディーに、感情たっぷりに綺麗に乗ってくるものだから、聞き入ってしまうというものです。
好きな曲は多いですが、個人的にはやっぱり「あの夢をなぞって」かな。
曲も綺麗で大好きですが、原作の物語も夢があって、温かい気持ちになれる良いお話でした。原作読み終わって曲を改めて聴くと、さらに切なさ爆発で世界に浸れ、最高です。
ずっと真夜中でいいのに
ずっと真夜中でいいのに、略して「ずとまよ」とは、ボーカルの「ACAね」を中心に結成された音楽ユニットです。ボカロPとして活動していたわけではないですが、夜繋がりということで。
この「ずとまよ」とは、私は少し変わった出会い方をしてまして、本家を知らない時に、とあるVtuberさんが「脳裏上のクラッカー」をカバーしてたのです。そのVtuberさんのことも殆ど知らなかったのですが、Youtubeの広告にそのVtuberさんがカバーした曲のサビメドレーみたいなのを流してて、その広告がとても秀逸な出来だったのです。広告を保存しておきたかったくらい。
そして、その広告からVtuberさんに飛んで、歌が上手い人だなぁと何本かのカバー曲を聴いた際に、「脳裏上のクラッカー」のクラッカーを始めて聴き、その不思議なメロディーとサビの疾走感のあるリズムに引き込まれ、本家を聴かねばと「ずとまよ」のチャンネルに辿り着きました。こういうこと、ありますよね。
そこで「ACAね」さんの歌唱力にヤラレテしまい、チェンネル登録からヘビーローテーション不可避でした。その他の楽曲も「面白い」曲が多い印象です。特にデビュー後は、テンポや曲調を毎回変えてきていて、いつも驚いて、楽しませてもらっていました。
デビュー曲の「秒針を噛む」は現時点で100M(1億)再生を超えています。私の思い入れが強い「脳裏上のクラッカー」を張っておきます。
ヨルシカ
ヨルシカは、コンポーザーのn-buna、ボーカルのsuisによる日本の男女2人組のバンドです。n-bunaさんは、元々ボカロPとして活動していたため、YOASOBIに近い構成ともいえるのではないでしょうか。suisさんは、元々ボカロP時代のn-bunaさんの元で働いていたとかで、歌ってくれと何度も頼まれて根負けしたという話は有名です。
ボカロPとしてのn-bunaさんも、有名な曲をいくつもリリースされていて、「ウミユリ海底譚」などは、今でも多くの人がカバーしたりしています。ヨルシカとしても曲調はあまり変わらず、変な飛び道具が少ない「分かりやすい楽曲」が多いように感じます。
実は私は性格がひねくれているのか、あまり真っすぐ過ぎる曲は好きになることが少なくて、ヨルシカさんの曲はどちらかというと敬遠しているところさえありました。ですが、「春泥棒」で完全にKOされました。
曲の構成も素晴らしいし、suisさんのVocalは鳥肌モノです。個人的にはCメロの「言葉如きがが語れるものか」が最高にグッときます。切なさと力強さが共存するという不思議な感覚です。そして何よりもMVが美しすぎます。ずっと見ていられます。美しいのに切なさがあって、とても好きです。
まとめ
今回は好きな曲を適当に語っているだけのような記事に見えますが、実際その通りです。2021年時点で、自分がどんな曲が好きだったのかを記録に残しておきたかったのもあります。合わせて自分が学生だったころに比べて、音楽を享受する環境に変化があったことを記録しておこうかなと思い、この記事に至りました。
まだまだ好きな曲はたくさんあって、語りつくせません。
それにしても、昔は音楽を何度も聞くためにCDを買ったりレンタルしたりとお金も手間も必要だったのに、今はYoutubeでお知らせもしてくれるし、クリックするだけで無料で聴けるうえに、Loop再生し放題とか、どれだけ恵まれているんでしょう。凄すぎます。
明治時代頃は、音楽自体が一般的な家庭では楽しめなかったらしく、上流階級の方々の嗜みだったらしいですが、たった100年程度でここまで世界が変わるものでしょうか。恐ろしいことです。人生に限りがあるのが残念ですが、100年未来はもっとすごい時代になっているのでしょう。
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