共産党はお母さん
中国の一般人に、中国共産党についてのイメージをインタビューしている動画を視聴しました。なかなか興味深い内容だったのですが、特に印象に残ったのはそのイメージです。
共産党は「お母さん」のような存在とのことでした。
ちょっと日本人にはイメージが難しいところですが、どうやら「何かあると、必ず解決してくれる」という感覚のようです。同じようなイメージで、「小学校の先生」という表現もでてきました。
また、中国とアメリカのやり方を比較すると、それは中国の方が良いと断言していました。
もちろん、インタビューを受けた人の感想なので、一概にすべての中国の人がそうだとは思いませんが、どうやら政治に対する感覚がかなり日本人とは異なるようです。
今回は、政治の体制について確認しながら、より良い政治体制について検討してみます。
政治体制について考えてみる
まずは基本的な事から確認していきます。
現在多くの国が、2つの政治体制を取っていると思われます。
一つは我々日本も採用している民主政治(他党制)です。
もう一つは、中国が採用している独裁政治(一党制)です。
それぞれの体制の特色などを見ていくことにします。
腐敗しにくい民主政治
民主政治というと、国民が選んだ代表が政治を行う体制です。
独裁政治と違い、選挙で権力者の権力を削ぐことが可能なため、汚職などの不正が蔓延しにくい、腐敗しにくい政治体制と言えるでしょう。
しかし、権力者が本当に正しいことを言っているのか、国民は常に政治にアンテナを張る必要があり、国民の知識が希薄な状態だと、無能な権力者を選んでしまう危険性を持っています。
また、様々な政党から多くの意見が挙げられるため、より良い案が出てきやすい環境でもある反面、それらを最終決定するのにはかなりの時間を要します。
意思決定が早い独裁政治
独裁政治とは、一つの党などが権力のすべてを振るう政治体制の事です。
民主政治と違い、権力者がすべての案を出し、実行するため、決定から行動までが非常に迅速に行えるというのが最大の特徴でしょう。
ただし、権力者が自身の欲望等で自分勝手な行動をし始めた時、国民には成す術がありません。腐敗を止められないのです。
特に今回強く感じたのは、「政治への関心が不要」という点です。
政治のことを考えなくても権力者(国・政治)が何とかするという信頼があれば、その事に国民が時間を割いて考えなくても良い点です。これは多くの国民の時間や労力といったリソースを軽減するでしょう。
中国共産党への信頼
政治については、民主政治でも独裁政治でも何らかの不満がある、というのが大前提として考えてみます。これは動画内でも言及されていましたが、確かにその通りだと思うのです。
独裁政治の場合、政治のことは政治をする人たちの仕事であって、我々国民には関係ない、と考えることが出来たとしたら、選挙のために議員候補の政策などを必死に理解しようと時間を割く必要もなく、有権者同士で政治について議論する必要もありません。
ドイツの政治認識を知ってからというもの、日本人である我々ももっと政治に関心を持って政治議論をするべきだと感じています。(以下過去の投稿)
そんな中で、中国共産党の独裁政治が国民から「良い」と思われていることは驚きでしたし、その体制の中で、国のために頑張ろうと一致団結できていることは凄いことだと感心しました。
もしも腐敗しない独裁が可能なら
「権力は腐敗しやすく、絶対的権力は絶対的に腐敗する」 - ジョン・アクトン
彼がこう述べているように、過去に絶対的な権力をもった人間は、自身の判断で、自身の富のためなどの独善的な法を定めたり、様々道を外れた政治を執り行ってきています。それは歴史が証明してくれています。
ただ、歴史というのは「これまで」がそうだったという記録であって、「これからも」そうとは言い切れません。可能性は高いでしょう。
そこで、「もしも」なのです。
可能性は低いかもしれませんが、もしも腐敗せず、優秀な独裁者が政治の実権を握った場合、その国は極めて高度な政策を、迅速に、効果的に実行していけるのではないでしょうか。
最近の中国は、今までになかったような富裕層への締め付けや、高学歴社会の是正方策など、見たこともないような内部への厳しい方針転換や、一帯一路に関連した各国との経済的な結びつき、東南アジア・南シナ海あたりへの軍事的な圧力など、まるで明治時代の日本における富国強兵かとも思う勢いです。
民族や宗教の弾圧が実際に行われているのであれば大問題ですが、それ以外は非常に理にかなった政治を行い、国を成長させているようにも思います。
中国の政治は腐敗しているのでしょうか。
日本は中国より腐敗していないのでしょうか。
まとめ
政治のことを考えなくてもいい世界がこの世に存在しているというのが、軽くカルチャーショックでした。確かに独裁政治ならばそうですね。
有事の際も、見守りはするのでしょうが、基本的には何も考えなくても良い国民。
とても魅力的ではありますが、言論統制も行われ、個人への監視も厳しく、極端な政治を末端に対してまでしている認識もあり、中国にはやはり住みたくはないですね。
特に私はどちらかというとGoogle信者みたいなところもあり、Youtubeとか使えない世界では生きて行けそうにありません。このBlogもGoogleのBloggerを使ってるくらいですし。
それでも、中国についての興味・関心は当分冷めることはなさそうです。
日本からみた中国は、経済・国防などを含め注視する必要がある国の一つでしょう。
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