失業保険は働く人へのサポート
今日は私の体験記のようなものを記録しておこうと思います。
私は元々とあるIT企業でSEをしていた人間ですが、元々あったアトピー性皮膚炎が悪化し、全身、特に顔や首が人に会えないレベルで皮膚が剥がれ落ち、夜もかゆくて眠れず、とても仕事ができる状態ではなくなってしまいました。
休職して治療をしていたのですが、回復に時間がかかりることもあり、退職することになりました。
そして退職後に失業保険を直ぐには受け取ることが出来ず、色々と苦労したのでその記録です。
病気等で働けない状態だと支給してもらえない
失業保険は、働く人を支援するための制度であって、病気などで働けない状態の人には受給資格がありません。
これは結構辛いことでした。そもそも病気で会社を退職し、収入が途絶えている状態にもかかわらず、貰えると思っていた失業保険ももらえないということだったからです。そもそも病気で酷い顔の状態にもかかわらずハローワークに赴かなければならなかったのも、精神的に厳しかったのですが、本人が行かなければならない仕組みだそうで、仕方なく恥をさらすことになりました。
結果、ハローワークで受け取れない旨などの説明を一通り受け、とにかく治療をという話になりました。
給付開始時期の延長が可能
ただ、支給自体はしてもらえないものの、傷病であることが証明できると、給付開始時期を3年間くらい延長してもらう事ができました。(通常だと数か月以内のはず)
ここも手続き中に色々と審議された感じで、何度も似たようなことを質問されました。本当に病気なのかとか、会社から給料をもらっていない時期(休職期間)は何なのかとか、そういうことを色々と聞かれました。
また病院に通う頻度などもこの申請には影響するようで、その辺りもかなり怪しまれました。というのも、皮膚病って、薬貰って2~3日で症状が変わったりするようなものではないので、早くても2週間、長ければ1か月に1回とかそれ以上の間隔で通院するので、それが少なすぎると判断されていた様子でした。どうしようもないのですが。
まぁ結果としてそれはOKとなり、無事長い間治療を受けつつ、失業保険の受給資格を失わずに済んだということになりました。
治療しても回復せず、絶望からの開き直り
しかし、病状は1年たっても2年たっても変化がなく、3年目にはとうとう貯蓄も全て使い果たし、いよいよ人生も終わりで「死」を覚悟した時に気づきました。
「元の生活に戻ることを諦めよう」
それで色々と吹っ切れて、新しい考え方が次々に浮かぶようになりました。
人間、何か変化があると、元の状態に戻ろうとする性質があるそうですが、私の場合は3年間治療しながら、元の健康状態、元の仕事に戻る事ばかり考えていました。ですが、別にそれは人生において必須という訳ではなかったのです。死ぬくらいなら別の方法が検討できる、ということに気づいたわけです。
そして、治療を続けながら、可能な範囲で仕事を探し、少しづつでもお金を稼ぐという方法に考えを改めたわけです。
支給開始は病院の判断
ハローワークで給付可能時期を延長した際に、一枚の紙きれを渡されます。
それは病院で「働くことが可能となったこと」の証明をしてもらう用紙で、病院の先生にお願いをして書いていただきました。
しかし、まともに睡眠すらできない状態は改善できておらず、最初は「働けない」とされてしまいそうになりましたが、起きている時間に在宅の仕事などを探そうと考えていますと伝えたところ、「制限付きで就労可能」としていただけました。感謝です。
これにより、無事失業保険の支給が、実に退職から3年たった後に開始できることとなり、そこから約半年間は、治療を受けながら仕事も探すという新しい人生活動を開始した訳です。
支給条件の就職活動はインターネットでもOK
失業保険の支給には、月に2回の就職活動実績が必要になります。
毎月、どこの企業に就職活動をしたかという報告を、書面で提出して給付を受ける形になります。通常は、ハローワークで活動をして実績のハンコを貰うらしいのですが、私の場合通常のハローワークの募集には受けられる仕事も少ないこともあり、主にインターネットで在宅の仕事を探す方針で固まっていました。
その旨をハローワークの方に相談したところ、それでも構わないとのことだったので、基本在宅で自宅のパソコンを使って仕事を探して、時には試しにちょっとしたお仕事を受けてみたりしながら、長期で継続できるお仕事に応募するといった活動をし続けました。
審査自体の感触としては、インターネットでの活動について報告していたせいか、特に大きな問題もなく、ほとんど毎月流れ作業のように10~30分程度の待ち時間だけでした。ただ、長期契約のテスト案件などを実施し、それに金銭が発生した場合に、すこし色々と聞かれることになりました。
就職活動で給与が発生する場合
金銭が発生する仕事は報告の必要があります。
私の場合インターネットで見つけた長期案件のテストを受けた際、そのテストに実際の7割程度の収入が発生するというものがありました。
「仕事をした時間」を失業手当給付の申請書に記載するのですが、収入を得た場合は、「得た金額」も記載する必要があります。
「仕事をした時間」は、当月の申請時に報告できるのですが、「得た金額」は実際に受け取った際に記載する決まりです。インターネットのサービスによって、収益を受ける月が、一定額を超えた時とか、支払元の支払があった翌月とか、お金の動きが若干後ろにずれ込みがちです。
なので、給付の申請書には「仕事をした時間」は記載するものの、「得た金額」が0円ということになり、それが何故そんなことになるのか、とハローワーク窓口の方に3回くらいは説明した気がします。普通単発のバイトなんかだと現金支給とかが多いからでしょうか。
申請は指定された時間にハローワークへ
実は、給付期間中に苦しんだのが、「申請する日時指定」がある事です。
決められた時間にハローワークへ行き、申請手続きをしなければなりません。混雑回避のためなのか分かりませんが、とにかくその時間に行かないと、最悪その月の給付を受け取ることができません。
私は睡眠を決まった時間に取ることができない状態だったので、その時間が「起きている時間」にすることを自分で決められない状態だったのです。これがかなり厳しかったです。
結果、何度かは睡眠を諦めて、寝ずに起きておいて、そのままハローワークに行くしかない、という選択もせざるを得ませんでした。私はそれで対応が可能でしたが、もっと思い傷病の方とか、どうしてるんでしょうか。もっと融通が利いても良さそうなものですが。
ともかく私は支給期間中は無遅刻無欠席で給付申請を行えました。
まとめ
これを書いている現在も、まだ闘病している最中で、全身薬まみれではありますが、精神的にはかなり前向きな状態です。
今回の記事は、なんらかの病気で退職を余儀なくされた方が、失業保険の受取で苦労されることもあるかと思い、その参考になればと体験談を書いてみました。
執筆時点は2021年の9月で、世間的にはコロナ禍・テレワーク推進と言われています。在宅の仕事も、色々とネットのサービスで見つけることが可能ないい時代です。残念ながらハローワークの手続きはそんな中でも実際に行かなければならないのですが。
病気の自分に何ができるのか、まだまだ模索中で、収入も殆どなく、死は目の前という状態は変わりませんが、もう少し抗って行こうと奮闘しています。
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