2021年10月17日日曜日

地球温暖化で逆に寒冷化する原因 - 2021年の日本は寒そうな予感

event_note10月 17, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

温暖化することで寒冷化するという現象


2021年の夏は、本当に多くの水害被害がでました。気象庁の発表などでも、例年にない水害被害を、異常気象と説明をしていて、この異常気象の原因は温暖化による気候変動にあるということで、多くの人が環境問題に一層の関心を持つことになりました。

そして夏が終わって秋が来るかと思ったら、10月なのに全国的に一桁の気温と、北海道では広い地域で氷点下の気温で降雪という、1か月以上冬が来るのが早まったような気温に下がり、日本の多くの人が驚いています。この突然の寒波については、まだ気候変動に伴う異常気象とまでは発表されておらず、単に一過性の気圧配置に伴う寒気の流入なのかもしれません。


ただ、世界には温暖化が進むことで既に寒冷化が進んでいる地域もあり、日本もそういった影響を受ける可能性がある事は、あまり知られていないかもしれないので、今回はその件について簡単にまとめてみようと思います。


海流の循環が弱まり、温かい海水が北に届かなくなる


海の水は、1000年周期くらいでゆっくりと南北に、そして海面と海底を循環しています。この循環は、太平洋と大西洋に跨り、非常に長い距離を移動しています。


上記画像は、日本の気象庁が発表しているもので、「深層循環の模式図」として掲載されています。

深層循環の駆動原理は、海水の温度塩分濃度による密度差によって起きています。

義務教育の理科で習うように、温かいものは上へ、重たいものは下へ動く習性が、広い海の中で起きているのです。つまり、赤道付近の温かい地域では暖められた海水が上がってきて、北極や南極といった局地では冷やされて海面の水が海底へ降りていくのです。

この循環によって、温かい海水が欧州に届いていたのですが、この循環が弱まることで、欧州の海水温度が上昇せず、寒冷化が進んでいるのです。

循環が弱まる原因は、溶けた氷による海水塩分濃度の低下


循環が弱まる原因の一つが、地球の温暖化に伴って北極海の流氷やグリーンランドの氷床などの融解が進むことによる、海水に流れ込む「淡水の増加」です。これによって海水の塩分濃度が下がり、従来よりも海底に沈みこむ海水量が減っているのです。


北半球では温暖化の進みが速く、局地程その進行が速いとされていますが、欧州の一部地域では逆に寒冷化が進み、例年より1度から2度程度低い状態になっているとも言われています。

現在は潮流の状態などを、IPCCが継続して調査していて、近い将来急激に循環が速まることがあるかもしれないものの、長期的には鈍化し、停止する可能性も否定しきれないとされています。幸いな事に、日本列島はこの循環の影響はあまり受ける場所にないように見えますが、今後どのような変動が起きてくるのかが分からないのが、温暖化の最も恐ろしいところです。

北極の気圧上昇に伴い、中国側からの寒気の流れ込み


海流と違い、こちらは日本にも影響があるお話です。

北極海の氷が溶けだしていることは周知の事実となってきています。もうかなりの面積の流氷が溶けてしまっていて、北極海航路が現実的となり、喜んでいる国家があるほどです。

北極海の氷が解けてしまうことで、それまで断熱材の役目をしていた流氷がなくなるため、一層北極海周辺の気温は高まっていくことになります。2021年現在では北極圏でも最高気温が38度を計測する様な時代になっています。グリーンランドの標高3000mの山で、雪ではなく史上初の雨が観測されたことも話題になりました。


北極海周辺の大気が温まると、その周辺の気圧が高まることになります。大気は気圧の高い方から低い方へ流れ込むため、中国大陸方面に対して寒気が流れ込むことになります。実際にはシベリア周辺の気圧配置や、偏西風などの影響もありもう少し複雑ですが、この北からの寒気は、日本にも少なからず影響がでることが予想されています。


2021年10月現在、突然寒くなっているのも、こういった気候変動の可能性もあるのかもしれません。今年の暑い夏をようやく乗り越えたと思ったのに、異常に寒い冬が来るのは辛いなぁと思う今日この頃です。


まとめ - 地球温暖化は予測不能な気候変動 -


地球温暖化というと、地球の温度が高くなることを想像してしまいがちです。

ですが、最も怖いのは、地球温暖化によって引き起こされる、予測不能な異常気象などの気候変動です。既に今年2021年の夏には、日本全土で大雨と洪水などによる水害が例年にない程に発生してきています。中国では、連日のように大雨が降り続き、非常に広い範囲で水害被害がでています。

秋がなく突然冬のように寒い季節がやってきても、不思議はありません。

想像してみてください。この今までとは異なる気候が、今年よりも来年の方が一層激しくなることが予想されているのです。それは紛れもなく人類の活動…いや先進諸国の消費社会が原因なのです。今私たちがすべきことは何なのか、地球上に生きている人類全体が考えなければならない時期で、一刻の猶予もないのです。

ホセ・ムヒカ氏の演説が何度も頭をよぎります。

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