2021年10月16日土曜日

衆議院選挙で総理大臣が落選した場合

event_note10月 16, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

岸田文雄内閣総理大臣が当選しない場合


衆議院選挙が行われることになりましたが、今回の選挙については、日本国内の注目も高いようで、多くの報道番組などでいつも以上に討論などが盛んに企画されて番組が放送されているように思います。

近く行われる衆議院議員総選挙の投開票は以下の日程です。

衆議院議員総選挙 : 2021年10月31日

岸田文雄氏が内閣総理大臣になって、たったの14日間で衆議院を解散し、総選挙になったことも話題になっていますが、多くの人が疑問に思うのではないかと思う件を、今日は記事にしてみようと思いました。

それは、「岸田文雄氏が落選したら、総理大臣はどうなるのか」という疑問です。


落選しても復活するので基本的には当選する


内閣総理大臣が衆議院を解散をして総選挙になると、自分自身も衆議院議員でなくなる可能性があります。

ですが、基本的には総理大臣の人は落選せず、必ず衆議院議員になることになります。


これには日本の選挙制度が関係してきます。日本の選挙制度は、小選挙区制と比例代表制という二つの選挙方法が同時に行われます。今回も10月31日に両方が同日行われる形となります。

復活というのは、「小選挙区で落選しても、比例代表で議席を確保する」という意味です。

小選挙区と比例代表という選挙制度


小選挙区というのは、日本を地区に分割し、その地区ごとの人口などを基に議席を割り振り、その議席に対して候補者が立候補します。有権者はその中から投票する「人」を選択します。

比例代表は、「政党」に対して投票をします。各政党の政策などを把握して、投票用紙に賛同する政党を記載して投票する形です。

衆議院議員の議席は465です。そのうち、小選挙区で決まるのが289、比例代表からは176の議席が決まることになっています。


小選挙区ではその地区に居住している人によって選ばれるので、地元の支援を存分に受けられることもあり、有名で実績もあるような政治家は非常に有利で、総理大臣ともなれば、基本的には小選挙区でも当選します。

ですが、支持率が下がっている総理大臣などでは落選することもあり、その場合は、政党が比例代表によって獲得した議席を、その人に割り当てることで救済、復活させます。これは、他の人が議員になれる可能性を潰すことにもなるので、政党としてはもちろん歓迎されません。

過去の復活事例


過去にもそうやって比例代表によって返り咲いた不名誉な実績をもった人もいます。

大きなところでは、公明党の太田代表や、総理大臣経験者としては菅直人氏もそういった経歴を持っていることで有名です。


民主党政権になった平成の時代は、政治の世界は荒れた歴史が多いように思います。逆に言うと、戦後日本で自民党が出来て以来、平成期間以外は自民党政権というのも、これまた凄いことだとは思いますが。

復活もせず国会議員にならない場合は総裁変更


なかなか考えにくい状況ではありますが、総理大臣が小選挙区で負け、比例代表で復活もさせてもらえないという事態が起きると、残念ながら総理大臣を続投する資格を喪失することになります。

そうなると、政党としては「総裁を選びなおし」して、再度「総理大臣の指名」を経て、新しい総理大臣、新しい内閣を組閣することになります。今年2021年にあった自民党の総裁選は、日本国内でも非常に注目が集まったのではないでしょうか。


少なくとも政党の中では過半数の指示を得て総裁になっているはずなので、基本的には比例代表による議席確保に反対する人も半数以下で、復活しないことは考えにくいでしょう。

比例代表で議席が一つもなくなった場合については考えにくいですが、ありえない事ではないとも言えます。その場合は、最大の政党が過半数になるように連立政権を組み、そこの党の代表が新しく内閣総理大臣となる、という流れになると思われます。いわゆる政権交代で、平成の時代には実際に日本で起きたことでもあります。

内閣総理大臣は文民である国会議員がなる


一応総理大臣になる人の条件を確認しておきましょう。

憲法上では、「文民である国会議員」と定義されています。

国会議員というのは、今回選挙の行われる衆議院と参議院の両議院を指しています。日本は二院制で、衆議院は4年、参議院は6年の任期となっています。解散があるのは衆議院だけで、参議院は3年に半数ずつ入れ替わりという形態です。


「文民」という言葉は馴染みのない言葉で難しく感じられますが、要するに「軍人ではない」という意味です。軍経験者や現役の軍人は、内閣総理大臣にはなれないことに、憲法で決められているのです。戦後の日本で作られた日本国憲法ならではですね。

まとめ - 岸田政権は続く -


今回の記事で、衆議院選挙で岸田文雄氏が落選しても、岸田内閣・岸田政権は続投することがお判りいただけたのではないでしょうか。

ただ、議席の数によって政策についての議論の方向性も変わるでしょうし、政策自体の否決・可決を左右することもあるでしょう。

岸田氏や自民党を応援するかどうかは別として、各政党や各候補者が、どのようなことを考えているのかを冷静に判断し、大事な一票を投じていきましょう。日本の政治への関心は若い世代では特に低い傾向にあり、今回は日本の投票率が高まるのではないかと、少し期待していたりもします。

0 comments:

コメントを投稿