2021年10月10日日曜日

岸田政権の新外務副大臣は鈴木宗男氏の娘

event_note10月 10, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

鈴木貴子 外務副大臣に期待してしまう事


2021年10月、第100代内閣総理大臣に、岸田文雄氏が就任することになりました。自民党総裁選挙から大いに話題となり、世間の注目がある中での政権交代となり、組閣の内容についても、同様に注目が集まっています。

そんな岸田政権において、鈴木宗男氏の娘さんの鈴木貴子氏が外務副大臣に就任されたニュースは、私を含め、多くの人の興味を引いたのではないでしょうか。


鈴木宗男氏と言えば、北海道の議員で、かつては衆議院議員として活動していたことを日本人の多くは知っています。現在は国政に復帰して、日本維新の会の参議院議員としてご活躍されています。鈴木宗男氏といえば、ロシアと深い関係にあり、北方領土問題についてもかなり詳しく、外交上で非常に重要なお役目をされていて、多くの日本国民が期待をしていました。

その娘さん(長女)が、新政権の外務省に副大臣として抜擢されているのです。恐らく鈴木貴子氏の実力なのだとは思いますが、どうしても父宗男氏の影がちらつき、北方領土問題についての進展を期待してしまうのです。

そんな鈴木貴子氏について、私が最初に見かけたニュースは以下になります。しっかりしたお人柄も分かり、期待は高まります。


父 - 鈴木宗男氏の活躍と言えば「北方領土」問題


鈴木宗男氏の2019年の動画を紹介します。当時は安倍政権で、安倍総理とロシア-プーチン大統領との首脳会談が行われたものの、北方領土については進展がなく、この件についての鈴木宗男氏へのインタビューという内容になっています。


北方領土問題についての外交状況の大枠が理解できる、非常に有用な内容になっていると感じます。

岸田総理の所信表明で、対ロシアへの方針は以下のようになっています。

(抜粋)
ロシアとは、領土問題の解決なくして、平和条約の締結はありません。首脳間の信頼関係を構築しながら、平和条約締結を含む日露関係全体の発展を目指します。


全文にご興味のある方は、以下に公式へのリンクを置いておきますので、是非ご覧になってください。


この岸田政権内で、鈴木貴子氏が外務副大臣としてどういった立ち位置になっていくのかは、今後の動きを見ていかないと、我々には知る術もないわけですが、少なくとも外交政策の一つとして、ロシアとの領土問題については、所信表明に含まれる程度には重要視されていると考えても良さそうです。

北方領土の問題とは - 日本公式情報(外務省)


日本の外交的な姿勢として正しく理解するためには、日本政府の外務省の情報が最も信頼できます。外務省が公開している情報を紹介しておきます。実際の情報元は以下になります。


まず基本的な事ですが、北方領土というのは、稀に北方四島とも言われ、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島を指しています。


この北方領土に対して、外務省の公式見解を要約すると、以下になります。

1. 北方領土は日本が発見し、1855年のロシアとの条約でも日本領土と認められている
2. 第二次世界大戦時、ポツダム宣言受諾後にソ連が侵攻して占拠。日本人強制退去。
3. 現在まで平和条約締結ならず

そして、この見解に基づき、対ロシアへの方針としては、「帰属の問題を解決し、平和条約の締結」を目指すことを前提としながら、方針さえ決まれば、その後の流れは柔軟に対応が可能という立場を取っています。

それと共に、この問題が解決するまでは、ロシアが北方領土における経済活動を進めたりすることを許容しない構えです。

第二次世界大戦 終戦時の動き - 歴史背景


第二次世界大戦については、日本国内では1945年8月15日に玉音放送をもって終戦したものというのが一般的な見解です。

しかし、国際的には1945年の9月2日の降伏文書への調印をもって終戦とする見方があり、ロシアはその主張をしています。

そして、問題の北方領土については、まさにこの調印前後の出来事なため、非常に難しい状態になっていると言えます。

日付については記録などにより若干の揺れがありますが、基本的には以下の様な前後関係となっています。

8/15 玉音放送
8/28 国後・択捉占領
9/2 降伏文書調印
9/4 歯舞群島・色丹島占領


つまり、ロシアとしては、国際社会のルールとして「国後・択捉」については戦争で勝ち取った領土と主張できますが、「歯舞・色丹」については根拠がないことになります。

そして、日本はロシアとの交渉の末、1956年にはこの「歯舞・色丹」は返還してもらう約束をしていたのですが、その約束は果たされませんでした。

戦後の外交交渉 - 歯舞色丹は返還される予定だったが…


1951年日本はサンフランシスコ講和条約に調印し、戦争状態が終結することになりますが、当時の総理大臣だった吉田総理は、「国後島と択捉島については放棄する」と明言しています。
(講和条約に含まれていたわけではありません。そもそもロシア(ソ連)はサンフランシスコ講和条約の調印をしていません。そのため、ロシアとの間には平和条約は未だなく、国境も未画定という状態なのです。)


鈴木宗男氏は、そのことを報道含め皆さんは理解していないと指摘します。

上記外務省の表記にも、北方四島と記載されていますし、度々北方四島という単語を耳にしますが、この単語を使用する事自体、外交状況を理解していないというのです。

1956年に日本とロシアの間で、歯舞群島と色丹島については返還するという約束がされていましたが、1965年に日米安保条約が改訂されることとなり、ロシアは米軍基地を建設するつもりと考え態度を硬化し、先の返還に関する約束も白紙ということになりました。

つまり、元々二島返還で話が進んでいたのに、その約束が白紙になって以降、日本では何故か北方四島と言い始め、放棄した国後・択捉まで返還を要求しているという状況なのです。

戦争を経験していない現代の私の感覚でいうと、なんて強欲な日本なのだろうと思ってしまうのですが、私の感覚がおかしいのでしょうか? 卑屈になっているわけでもなく、日本を愛していないわけでもありません。ただ純粋に、「言ったこと、約束を守る」それだけの事なのですが。

プーチン大統領時代に解決しないと無理だろう - 鈴木宗男氏


上記鈴木宗男氏のインタビューで、鈴木氏はこのように述べています。

日本の安倍総理ほどロシアとの平和条約締結に熱意を持っている総理大臣はいないし、プーチンさん程日本のことを考えてくれている大統領も他にいない。プーチンさんが大統領の間に平和条約を締結することが出来なければ、日本とロシアの領土問題についてはもう解決できないだろう。



現在ロシアのプーチン大統領は、非常に長い期間の大統領を務められている訳ですが、その人気もいよいよ終わりが見えてきてしまっています。鈴木宗男氏がここまで断言されるほど、プーチン大統領に対する信頼があり、またその後のロシアに対する不安感があるのだと推察されます。

それを鑑みても、今回の岸田政権に抜擢された、鈴木貴子氏の活躍に、焦りに似た期待が込められてしまうものです。

関係ないですが、プーチンさんと言えばカレンダーも有名です。一国の代表が毎年カレンダーを出されているのはあまり聞かない話ですが、来年2022年のカレンダーもアマゾンで販売されていました。面白いですね。

2021年現在のロシアの動き - 特区構想


そんな外交上の領土問題があるとする日本の主張をない事のように、ロシアは北方領土における免税特区の様な経済活動を進めようとしています。

これに対して、2021年9月23日に、日本の茂木外務大臣がロシアのラブロフ外相との会談にて、容認できない旨を伝えています。


日本ではあまり知られていないかもしれませんが、ロシア国民の殆どは、北方領土は全てロシアの領土という認識で、プーチン大統領だけが日本の領土問題の主張を理解してくれているといった状況なのです。

つまり、こういった経済活動を進める意見が、ロシア国内で出てくることについては、あまり疑問がない状況です。

どう考えても日本は返還してもらえる機会を逸したとしか思えない状況です。

北極海航路 - 温暖化で溶けた北極海を活用


現在、北海道や北方領土については、ロシアや中国からは得に注目されています。

それには、地球温暖化が関係してきます。

地球温暖化に伴い、北極海の流氷が少なくなったため、北極海を恒久的な航路として活用することが検討され始めています。その場合、これまでの南側の航路であったスエズ運河を回っての遠回りな航路ではなく、北極海から北海道を回る航路となります。


北方領土はまさにこの航路の線上に位置するため、今後の世界の経済活動において、非常に注目されているという状態なのです。中国は北海道の土地を買いあさり、ロシアは北方領土に免税の特区を設けて外国企業を誘致しようという動きに出ているわけです。

「北の釧路、南のシンガポール」

この事から、北海道の釧路という都市は、南航路のシンガポールと同等の価値が出ると評価され始めてさえいるのです。

温暖化については過去に色々と取り上げていますが、一つだけご紹介しておきます。


まとめ - 北方領土問題に進展があるか -


正直、日本国内の世論を確認した訳ではありませんが、多くの人たちは返還に対して諦め気味な空気が漂っている気がします。今の国会議員の中でも、北方領土を四島すべて返還してもらえると本気で考え、熱意をもって取り組みしている人がいるようには思えません。

歴史を振り返ってみても、また鈴木宗男氏のいうように、そもそも四島返還は普通に日本側の主張に問題があるように感じられます。確かに日本の領土ではあったものの、第二次世界大戦で敗戦したのは事実です。ロシアの主張する降伏文書への調印を終戦とするのであれば、最低でも歯舞・色丹は返還してもらえるはずなのです。

鈴木宗男氏がかつて唱えていた二島先行返還は、外交方針としては非常に理にかなったものだったように思えてなりません。これに反対していた議員は、愛国心の塊なのでしょうが、外交関係や歴史的背景をまったく考えていなかったのだろうと想像できます。

長々と北方領土問題について取り上げましたが、本来は岸田政権の鈴木貴子氏についてのはずでした。対ロシアだけでなく、現在の日本は国際的な様々な緊張を抱えた難しい時期だと思っています。外務省の動きについては、日本国民の大きな注目が集まっていると思います。ご活躍には期待して、応援していますと、最後に締めくくっておきます。





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