COP26で浮き彫りになる認識の差
2021年の11月にはCOP26が行われ、環境問題に関する話題が多く飛び交いました。
今回は、COP26のスピーチを発端として、気候変動問題についての各国の思惑や認識の差について、改めてまとめてみます。
私たちの日本は紛れもない先進国で、一般的には途上国よりも裕福で安全な暮らしをしているでしょう。様々な努力でこの安全な暮らしを手にいれた私たちは、その結果として地球に悪影響が出てしまったため、その対策を検討して進めています。
一方途上国では、そんな発展した科学を利用した社会になっておらず、気候変動に与える影響が小さいにもかかわらず、COPなどの国際会議では先進国と同じような制限を課されようとしています。
COP26でのスピーチで先進国批判
TBSのYoutubeチャンネルが、COP26のスピーチを個別にアップロードしてくれています。今回紹介するのは、その中のボリビアのスピーチです。
ボリビア「先進国が脱炭素分野でも途上国を植民地にしようとしている」【COP26スピーチ】
この動画を見た日本人の中には、ただ金を要求しているだけだという批判的な声もあるようです。そういった思惑がないとは言い切れませんが、彼の発言からは途上国と先進国の気候変動に対する姿勢や考え方などに大きな差があることが伺えます。
「カーボン植民地主義」と揶揄される現在の気候変動問題への取り組みを、世界を欺くまやかしと評しています。
先進国が気候変動を引き起こす主役
温室効果ガスである二酸化炭素の排出量をランキングした動画を紹介します。(英語)
この動画でのランキングは、2020年時点で以下になっています。
1位 中国
2位 アメリカ合衆国
3位 インド
4位 ロシア
5位 日本
1位の中国目覚ましい発展を遂げている最中でもあり、ダントツのトップです。
私たちの日本は堂々の5位です。
温室効果ガスは世界各国で排出していますが、ランキングを見ても分かる通り、主要な排出元は先進諸国です。
COP26に参加する途上国は被害者でもある
途上国では、温室効果ガスの排出が少ないにも関わらず、先進諸国が排出した温室効果ガスの影響で地球環境は変化し、干ばつなどの被害が広がっています。
途上国にとって重要な農業などの産業に被害が出てしまっていますが、他国から直接的な干渉を受けたわけではないため、先進諸国が罪に問われることは今のところありません。
この状況は、ミサイルを撃つと戦争になりますが、「温室効果ガスによる間接攻撃なら戦争にならない」と考えることもできるのではないでしょうか。
先に発展した先進国は許され、途上国は許されない
先進諸国に追いつこうと、様々な努力を行い最新科学を取り入れたりして国を発展させている最中の途上国としては、先進諸国と同じことをしようとしているだけにも関わらず、気候変動問題をチラつかせて圧力をかけられています。
このことから、ボリビアのスピーチの「脱炭素分野でも植民地にしようとしている」と、厳しい指摘に繋がっています。
先進諸国としては、人間活動による地球環境への影響が疑いようがない現在の状況から、世界各国で協力して対策に取り組みたいところですが、同じことを途上国に要請しても、彼らには納得できない部分もあるでしょう。
先進諸国だけが先に良い思いをして、途上国は後に続くことを許されず規制されるのです。
まとめ - 植民地政策(帝国主義)と同じ -
歴史を振り返ってみると同じようなことが沢山あります。
広い世界の中で、先んじて何かを成し遂げた国は、できる限りの方法で後続を押さえ込もうと努力します。日本がかつて国際連盟を脱退することになったのも、同じような状況だったと言えるでしょう。
欧米の先進諸国に習って後に続いて推し進めた日本の帝国主義(植民地政策)は、その先進諸国から押しとどめられる形となりました。既に多額の投資・開発も行なっていた日本は、言いなりになって引き下がることもできない苦境に立たされ、結果として欧米諸国とは違う道を進むことになり、最終的には大東亜戦争という衝突にまで発展してしまいました。
気候変動問題についても、各国の不公平感を拭うことは難しく、先進諸国の都合を押し付けるだけでは、同じ歴史を繰り返すだけとなってしまうでしょう。
私たちは過去の歴史からもっと学び、最善の方法を真剣に模索しなければなりません。
最後に大東亜戦争(太平洋戦争)前のアジアの状況に触れた以下記事を紹介しておきます。興味のある方は是非ご覧ください。
コメントを投稿