2021年11月5日金曜日

二酸化炭素濃度に関する驚愕のグラフ | 古代と現代の比較

event_note11月 05, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

垂直に上昇する現代の二酸化炭素濃度


2021年11月には、イギリスでCOP26が開催されていて、地球の気候変動問題への関心が高まっています。

今回は、テレ東Bizの動画の中で、大変興味深い内容があったので、そのことをまとめて記事にして共有したいと思います。

番組ではCOP26の説明や、地球気候の変動に関する説明から始まり、二酸化炭素濃度の話になりますが、そこで古代から現代までの二酸化炭素濃度のグラフが紹介されます。番組内でも「驚きます」と言われますが、示されるグラフには驚かずにはいられません。

以下にそのグラフの画像を切り出していますので、是非ご覧ください。


二酸化炭素濃度の推移をグラフ化 - 古代と現代


番組では、まず古代80万年前からの二酸化炭素濃度のグラフが示されます。二酸化炭素濃度の調べ方についても簡単に口頭で説明がありますが、どうやら地質調査と同じようにボーリングをして調べることができるそうです。

古代のグラフ


グラフとしては、気候が暖かくなったり寒くなったりしたのと同じように、二酸化炭素濃度は上がったり下がったりを繰り返しているようです。このグラフの時点では、現代が異常に高くなっているわけでもなさそうで、二酸化炭素濃度は温暖化に関係ないのではないかと思ってしまうほどです。




しかしこのグラフには、現代の部分が「?」と表記されていて、グラフの数値はグラフ上にでていないのです。

現代を追加したグラフ


そして、現代から100年間の二酸化炭素濃度が右肩上がりの説明を一通り行った後で、このグラフにとうとう現代から100年間分の数値が追加されます。



驚くことに、完全に垂直に上昇した形となっています。

産業革命以降急速に発展を遂げた人間の活動により、明らかにこれまでとは異なったスピードで二酸化炭素濃度が上昇していることが分かります。

COP26などで温室効果ガスの一つとして二酸化炭素の排出を抑える必要があると何度も強く協議されている背景には、このような数値情報の研究が進んだことも影響していると考えられます。

IPCCの判断で「温暖化は人間活動の影響疑いない」


IPCCという機関は、WMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)の2機関で設立された国際組織で、世界を代表して気候変動に対する様々な研究とその情報の共有を進めています。

そして、IPCCが行った第6次報告では、「温暖化に人間の活動が影響していることは疑いようがない」としたことは、多くの人に衝撃を与えました。

これまでのIPCCの報告では、情報が不足していたこともあって、人間の活動は影響していない可能性もあるという内容でした。少なくともIPCCの第5次報告まではその曖昧さが残っていたのですが、2021年8月の第6次報告書ではその曖昧さが亡くなり、断言に至っているのです。

自然が勝手に気候変動しているのではなく、私たち人間が活動することで、その自然環境を変えていってしまっているのです。

COP26で石炭火力発電所は廃止の方向だが日本は見送り


二酸化炭素濃度が急激な上昇をしている現代社会をとにかく早く改善する必要があります。

COP26では石炭火力発電所は止めるべきだという意見を出し、多くの国がこの意見に賛同しました。しかし、私たちの日本や同盟国アメリカは同意を見送りしています。


残念ながら、日本における石炭発電所は産業の重要な要素でもあり、気候変動があるからと簡単に止めることはできない現状にあります。

国内のエネルギー問題や、諸外国に対する石炭発電所の誘致や技術提供などの産業形態を変えていくことが先決で、石炭火力発電所からの脱却の議論ができるのは、それらの施策が滞りなく行われた後ということになります。

そんな状況だから、日本はCOP26をはじめ気候変動問題に対して真剣に取り組みを進める諸外国からは「環境問題に対して後ろ向きな国」として化石賞を贈られるなど、非常に低い評価を受けてしまっているのです。

資本主義が故に揃わない足並み


私たち資本主義社会にいきる人間は、生きていくための産業が必要です。

明日の食事や快適な生活を得るために、働いてお金を得る、それが資本主義社会での人々の生活形態なのです。

どこか遠くで起きているかもしれない気候変動問題を持ち出され、明日の生活の糧を奪われるようなことは、絶対に阻止し、自分たちの生活を守らねばならないのです。


しかし、地球の環境問題が進行して、自分たちの生活が脅かされてしまっては、そもそも日々の糧とか生活環境とか言っていられないはずなのですが、現段階ではそこまでの危機感がないということなのでしょう。

問題については認識しているものの、生活を維持するための方策がないため、現状を維持してしまっているという意味で、これは「政治の問題」といえるでしょう。過去にそう断言した人のことを私は忘れません。

 

まとめ - 現実は甘くない。危機ではなく既に災害 -


幸いな事に、日本は温暖化によって壊滅的な被害はでていないと見ることが出来ます。確かに2021年の夏は温暖化の影響で大雨が各地でふり、土砂崩れや水害などで被害が出てはいますが、多くの日本国民はその気象現象が温暖化に起因しているとまでは考えていないようです。

しかし、世界はそのような状況ではなく、もっと切羽詰まった実害が出ている場所も多くあります。日本人にも分かりやすいワシントンの桜が枯れているニュースは、私も衝撃を請けました。海水面の上昇に伴い、桜の公園(タイダルベイスン)が徐々に水没しつつあり、海水濃度の高い水が桜を枯らしているのです。以下の記事の最後のあたりに取り扱っていますので、興味のある方は是非ご覧ください。

 
最後に、本記事執筆のきっかけになったテレ東Biz様の動画を紹介しておきます。今回取り上げた二酸化炭素濃度の話だけでなく、気候変動について非常に丁寧に説明されていますので、是非ご覧ください。



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