岸田政権継続が決定した衆院選をまとめる
2021年10月31日に、衆議院総選挙の投開票が行われました。
結果は相変わらずの自由民主党と公明党の連立である自公が過半数以上の議席を確保した状態となり、良くも悪くも現状維持に近い形になりました。
ただ、そんな中でも議席数の増減もあり、特に議席数を4倍近くに増やした維新の会は会心の結果と言えるのではないでしょうか。
今回は衆院選2021の結果を議席数から見ていくことにします。
議席数の増減まとめ
まずは議席数の増減を分かりやすく円グラフにしたものからみていきます。
衆院選後の議席の状況です。
参考までに衆院選前の議席数の割合です。
数字で見ると以下の様な状況です。
自公連立としては若干の議席減ですが、変わらず過半数は確保しています。
維新の会は+31議席となっていて、実に4倍を超える議席を確保しました。
逆に立憲民主党は-14と大幅に議席を減らす結果となっています。
全体を見てみると、多くの政党が議席を減らし、その分の殆どが維新の会に流れたという結果のようです。
政党の名前を記入する比例代表の結果だけを見てみる
以下は今回2021年の衆院選の比例代表による議席数の結果です。
これをみると、自民党は比例では過半数に届いておらず、小選挙区で勝っていることが分かります。優秀な候補者を国民が選んだということなのでしょう。
逆に野党は好成績で、こちらでも維新の会の割合が突出して大きいことが分かります。
立憲民主党は自民の逆で、比例では元の議席くらいの結果となっているので、小選挙区で候補者が落とされていると見ることができるでしょう。
自民・公明の議席維持は「政治の変化を望まない」と見る
自民党総裁選を勝ち抜き成立した岸田政権が、成立後すぐに衆議院を解散をしました。
衆議院総選挙によって、国民の総意を改めて問う形になった訳ですが、まだ実績のない岸田政権の是非というよりも、自公の政治を継続するか、それとも変革を望むかという形の選挙だったと言えるのではないでしょうか。
もちろん目下の問題として、新型コロナウイルス感染症の対策や、その支援での給付金の問題、それに国防や少子化など多くの課題を抱えています。それらの自民党・岸田政権の方針の是非は問われる形ではあったでしょう。
給付金について明言しなかった自民を推す形の結果
今回の衆院選では給付金を10万円とか20万円とか公約で掲げている政党が目立ちました。
国民を目の前の金銭で釣ろうという魂胆が透けて見えてしまい、何とも浅はかな戦略だと嘆いていましたが、国民はそんなことでは惑わされないということが選挙結果に表れているようで、非常に清々しく、そして有権者の冷静な判断に感動すら覚えました。
日本の歴史は自民党の歴史・確固たる実績で進める安心感
日本の政治は平成の民主党政権以外は自民党によって政治が行われてきています。
その長い歴史で培われた多くの経験と実績は、国民に対して絶大な安心感を与えていると思われます。
もちろん、成功とは言えない結果の場合もあるかもしれませんが、少なくとも努力した結果での失敗として、前向きに捉えられているということが選挙の結果に表れていると言えるのではないでしょうか。
岸田政権についても、岸田総理の手腕を知るのはこれからですが、政府内の方々もそうですが、支援する自民党の中には経験豊かな方々が大勢いることを、国民は皆が知っているのです。
今回の選挙結果から、日本の国民としては「大きな改革は必要なく、着実に一つずつ問題を乗り越えていく」ような、そんな政治が期待されていると考えてもよいのではないでしょうか。
維新は自公・野党を否定して第三勢力として期待か
日本維新の会は、10 → 41へと大幅に議席を増やす結果となりました。
特に大阪の選挙結果は圧倒的です。
大阪では15の小選挙区で自民、維新共に候補者を立てて選挙に臨みましたが、結果は維新の全勝という凄まじい結果です。維新の生みの親でもある橋下徹氏の改革によって、大阪の政治改革は推し進められ、その結果大阪府民の絶大な支持に繋がっていると考えることができ、これは地道ではありますが確実で非常に強力な地盤となるでしょう。
私は大阪居住ではありませんが、このように大阪府民の方々が指示する程の成果を上げているのであれば、全国の政治でもっと手腕を振るってほしいとさえ思ってしまいます。今回の結果を見て同じように思う人は多いのではないでしょうか。
また、維新を推す形ではなく、自公の政権からは変革を望むものの、立憲民主党を中心に共闘する野党は望まないという有権者が第三勢力として維新を選択したという見方もできるのかもしれません。
この躍進のスタートのタイミングで代表の松井一郎氏は辞意を表明しています。大阪市長の任期が終わるタイミングで政界を引退するとのことです。次の代表が誰になるのかも注目されています。
維新の会と言えば橋本氏、松井氏と現副代表の吉村氏が盛り上げてきた政党という認識は強く、今回の議席増をきっかけに新しい有力な次世代を育成しながら更なる躍進を目指すといった形なのではないでしょうか。
立憲民主党は大幅に議席減少。代表枝野氏は辞任の方向
立憲民主党は残念でした。まだまだ野党第一党ではありますが、110→96と14議席も失う結果となり、その責任を感じた枝野氏は辞任する方向である事を記者会見で発表しています。
特に立憲民主党へのイメージは問題で、自民党の政治または政府に対して何かしら文句をつけるばかりで、「批判する党」という認識が強く根付きすぎたのかもしれません。
今後新しい代表は、そのイメージを払拭しつつ、自民党と有意義な討論を行って、日本の政治を盛り上げていって欲しいものです。
投票率は微増して55.93%。大阪は8%近く上昇
今回の衆院選の投票率は55.93%となっていて、大きな変化はありませんが、若干ですが高くなりつつある傾向ではあります。投票率は上がってはいるのですが、それでも戦後3番目に低い記録ではあります。
前回の平成29年の選挙では53.68%で、そこからは2.25%上昇した結果となっています。
最も大きく投票率が上昇したのは大阪府で、実に8%も上昇しています。維新の会を応援しようとして多くの大阪府民が選挙に参加したということなのでしょう。国民と政治家が一丸となって政治に向き合っている形とみることができ、民主主義としてこれほど素晴らしいことがあるでしょうか。
一方で東京都でも投票率は上昇しています。今回は57.21%で前回衆院選の53.64%から3.57%程上がったことになります。
新型コロナや中国・アメリカの緊張などを含め危機感からか、日本国民全体として政治への関心が高まってきているといった状況なのでしょう。
まとめ - 岸田政権へ期待 -
ともあれ騒がしい選挙戦も終わって、改めて岸田政権が動き出して一安心といったところでしょうか。
早速鬼神のような働きぶりでニュースに取り上げられているようですが、あまり気合を入れすぎて失速したり体調を壊したりしないか心配になります。
新型コロナ対策やそれに伴う給付金の話題などで、直近多くの人が選択や決断を迫ることになると思われますが、焦らず着実に一つづつ問題を解決へ導いていって欲しいものです。
今回は議席数から日本の政治の行く末と国民の評価を分析してまとめてみました。個人的には環境問題が気になっているので、世界からも評価される実行力のある施策を実施してほしいと思っています。
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