2021年11月6日土曜日

グレタ・トゥーンベリは茶番に見えるが一理ある | 気候変動問題

グレタ氏の活動は賛否両論だが意味はある


地球環境問題についての対策が進まないことに対して、若いながらも必死で叫び続ける少女として、世界中に名前を知られた環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏について、批判するような声も多く耳にしますが、個人的には彼女の活動そのものは賛同しかねる部分はあるものの、主張していることは一理あると思っています。


今回は、グレタ・トゥーンベリ氏についてまとめていってみます。


グレタ・トゥーンベリという人は若者代表


グレタ・トゥーンベリ氏はスウェーデンの環境活動家です。
2003年生まれなので、2021年現在の年齢は18歳ですが、国際的な場面で演説をするなどを繰り返し、今や世界的に知られています。

彼女の主張は、地球温暖化に伴う気候変動の問題に対して、世の中の大人達が行う政治が真剣に取り組まれていないことに対し、怒りを露わにしたものが多く、感情的な演説が多いのが特徴です。

現在社会で活動をしている大人たちの裕福な生活によって、若者たちの未来が蝕まれているというのが一貫した主張です。

2018年にポーランドで行われたCOP24や、2019年にアメリカで行われた気候行動サミットにて演説をしたり、その他の環境問題に関する国際会議会場付近でデモ活動を行ったりと、世界各地を飛び回りながら活動をしていて、日本のニュースにも良く取り上げられています。


上記動画は2019年の気候変動サミットの演説の様子です。テレ東Bizはノーカットで演説などの重要な情報を提供してくれる非常にありがたいメディアだと思います。この他にも非常に有益なコンテンツが多く、感謝しています。

パリ協定以降も変わらない世界への苛立ち


グレタ氏は、幼いころに地球環境問題のことを知り、そして問題に対しての対処が進んでいないことに愕然とし、失言症という言葉が喋れない病気を発症してしまいます。

しかし、その後行動して問題に立ち向かうことを決め、地元スウェーデンで学校に行かないストライキと共に、スウェーデンの政府に対して環境問題に対して行動するよう促す活動を始めます。

その活動はメディアによって世界中に拡散され、幼い少女が涙ながらに語る未来への不安と大人への苛立ちに多くの人が心を打たれ、2019年には同じような活動を始める若者が増えるグレタ現象を巻き起こしました。

2016年にCOP21で採択されたパリ協定以降も、遅々として進まない気候変動問題への対処について、急いで対処する必要があると、今も主張を続けています。

久しぶりに中田さんの動画を紹介してみます。以下の動画ではグレタ氏の活動以外に、その周辺の出来事(パリ協定やCOP24の化石賞など)も綺麗にまとめられていて、全体像を短時間で把握するのに非常に有益なコンテンツだと個人的には思います。


COP26でも登場するグレタ氏


今年2021年の11月にはCOP26がイギリスで開催されました。

COP26では石炭火力発電所を廃止する方向で世界(日本・アメリカなど一部除いて)が合意したりと、少しずつですが前に進もうと各国意見を出し合っています。


しかし、そんな世界的な会議にもグレタ氏は現れ、いつものように会議の決定に対して非難を浴びせていることがニュースに取り上げられていました。彼女は変わらず進まない温暖化対策の話し合いとして、COP26を「ごまかしの祭典」として非難しています。


この批判に対して、気持ちは分からなくもないのですが、未来の人々の幸せを考えると共に、今生きている我々の幸せも同様に考えなければならず、彼女の主張にはそういった広い視野を持った考え方が欠落していて、それ故に多くの人から茶番だと言われてしまうのでしょう。

確かに彼女は精神的にも成長する必要があると私も感じますが、ただ彼女の主張が茶番だと切り捨て、主張の本質を考えないことは望ましくないでしょう。

未来を犠牲にしていることは確か


私たち人間活動の影響で地球の温暖化が進行していることは、IPCCが2021年に正式に認めました。二酸化炭素濃度についても研究が進み、ここ100年間の上昇が如何に異常であるかがグラフからも分かります。


この事実の受け止め方は人それぞれだとは思いますが、間違いなく北極圏の気温は上昇し氷は解けだしていて、水位が実際に上がっている地域もありますし、温暖化によって異常気象や逆に寒冷化が進んでいる地域もあります。

グレタ氏が言うように「若者の」に限らず、現代に生きる私たち自身の「未来」をも蝕んでいることは間違いないのです。

恐らく人々が生活できないくらいの異常気象に見舞われると、そこでようやく事態の深刻さに多くの人が気づくことになるのでしょう。しかし、それでは手遅れなのです。そんな状況に地球全体陥ってしまっていてから手を打ったのでは、元の状態に戻す前に地球規模の災害が起こり続けて多くの人々を苦しめることになってしまうのです。

そうならないためにも、私たちは急いで温暖化対策を進めなければならないと、グレタ氏を始め多くの方々が警鐘を鳴らしているのです。

まとめ - 気候変動への対処行動は急務 -


何度も同じように気候変動問題に対する記事を執筆していますが、少しでも多くの方々が「問題が目の前にある」と認識してもらえるように、自分自身に出来ることをしていこうと思うのです。

今回はグレタ氏について取り上げていますが、正直彼女の行動力は素晴らしいとは思いますが、問題を解決するためには「政治を動かさなければならない」のです。

日本は経済問題や新型コロナウイルス問題に加えて、近隣諸国との国防的な問題も抱えていて、脱炭素については目標を掲げたものの世界的には後れを取っています。衆議院選挙も終えて、新しい政権を導く岸田総理には着実に物事を進めていくリーダーシップを期待します。

最後に、地球環境問題は消費主義社会を形成する政治にあると主張した、世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカ氏の記事を紹介して今回の記事を締めくくることにします。

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