2021年8月10日火曜日

意外と知らない台湾と日本の関係

event_note8月 10, 2021 editBy Fluffy Knowledge forumNo comments

台湾と日本での知らなかったこと


私は台湾には実際旅行で行ったこともあり、また様々な民間レベルではありますが友好的な関係が築けていることもあって、個人的に台湾を非常に好意的に思っています。

特に日本国民全体として、311の大地震の際の義援金など迅速な支援が、国家レベルではなく民間レベルで行われたこと、そしてその義援金の凄まじい金額に驚き、そして甚大なる謝意を心に刻み付けていると感じますし、私もその一人です。本当にありがとうございます。

今回は、台湾に関しての私の印象から始め、知らなかったことのうち、インパクトの大きかったものを2つほど紹介しようと思います。
  1. 国号
  2. 尖閣諸島

個人的台湾の印象


台湾は料理もおいしかったし、人も優しかったし、女性は綺麗な人多かったし、歴史的なものも非常に興味深く、とても楽しい旅行でした。

ただ、私が訪れた際は、条例で「家屋内での喫煙禁止」となってしまっていて、喫煙者の私はその点では苦労しました。宿泊先のホテルも全面禁煙で、タバコを吸いたい場合は1Fまで下りて、外へ出て、喫煙後にまた部屋まで上がる、という行動が必要で、面倒すぎて禁煙できそうな勢いでした。当然ホテルのラウンジでお酒を飲んでいる時も禁煙です。
ただ、少し裏の地元っぽい飲み屋に行けば、お酒とおいしい料理と喫煙も可能なお店があり、最高に幸せな時間を堪能できましたが、たしか誰かに紹介してもらったような気がします。

夜市は賑やかで色んなものがあって、とても楽しいですが、東南アジア各国の出店を見慣れていたので、それらが少し近代化した感じ、という印象で、大きなインパクトはありませんでした。買い物が好きでたまらない女性は楽しいのではないかなと思いますが、日本の商店街をイメージすると、日本よりも当然衛生面などはまだまだ行き届いていないところもありますのでご注意を。

台北の中心は本当に近代都市で、日本語は殆ど通じなかった気がしますが、日本人だからと身の危険を感じることもないどころか、非常に暖かい街の雰囲気でした。小籠包もホントおいしかった。個人的には世界一かなと思ったりします。

台湾について知らないことを知ろう


台湾に好意的な私ですが、私は戦争経験者でもないですし、台湾に住んでいたこともなく、あまり歴史的な経緯を知らないなと感じることがありました。

色々調べる前の私の知識は、結構日本人として一般的なものだと思いますが、以下くらいの認識でいました。
  • 日清戦争から太平洋戦争敗戦までの間、日本が統治していた
  • 統治時代は日本と同じレベルの治世で好意を持たれた
  • 戦後毛沢東との政争に敗れた蒋介石が治めた
  • 蒋介石(国民党)の統治は日本に比べて良くなかった
  • 日中国交正常化後に国交断絶
  • 国交断絶後も民間レベルでは交流が盛ん
殆どが学校の歴史で習う内容に少し毛が生えたレベルのものです。
でもいくつか疑問になることがあって、それらを調べ、紐解いていくうちに改めて知ったこともあるので、その点について記事にしてみようと思いました。

正式な国号は「台湾」ではない


まぁ最初に気になるのはやっぱり名前でしょうか。

特に、台湾の方々から「日本人が台湾」と言ってくれたとニュースになったりすることから、不思議に感じたりしました。
今年(2021年)に東京で行われたオリンピックで、NHKの放送で台湾のことを「台湾です」と紹介したところ、それが喜ばれ、話題となったようです。


喜んでいただけていて幸せな気分ですが、我々日本人の感覚としては、台湾は台湾であって、中国の一部とかそんな感覚は「一切ない」というのが本音です。おそらくほぼ全ての日本人がもつ共通の感覚と思っています。
NHKが素晴らしいのは、政治的な考慮を一切除外して、現実を報道したことでしょうか。

ただ、オリンピックの参加としては「Chinese Taipei」だったり「R.O.C」とされているものがあったり、我々が「台湾」と呼んでいるのは本当に正しいのかな、失礼になっていないのかな、と不安な気持ちがあって、調べるに至ったというのが本音です。

正式名称は「Republic of China」、略称「R.O.C」


我々が台湾と呼んでいる国は、正式には「中華民国」であって、英語で「Republic of China」、略称として「R.O.C」となっています。

ただ、今回台湾の方々がオリンピックの「台湾です」を好意的に受け止めてくれていることから、「台湾」も嫌がられているわけではなさそうです。

「台湾」というのは、そもそもは台湾島を中心とした地域の名称ですが、1988年以降、国号(国の名前)を中華民国ではなく台湾にしよう、という動きがでてきているようです。

ただ、国の名前なので、様々な議論を呼び、特に国民党などからは反対意見が当然のようにでています。国民党からしたら、我々こそが中国なのだという意識でしょうから、当然と言えば当然なのでしょうが…
ただ、現実としては、パスポートの表紙にTAIWANと表記されたり、様々な所で表記の変更が徐々に進んでいっているような状況のようです。

当然ですが、中華人民共和国(China)はこれを受け入れてはおらず、飛行機の行き先表示などでTAIWANの表記の変更を迫ったり、国際的にはまだまだ問題があるようです。ちなみに日本はこの件を「行先の国名表記をなくす」ことで対処しているようです。賢いですね。

国連脱退について


知っている人も多いかもしれませんが、台湾こと中華民国は、現在国連に加盟していません。ですが、2021年現在、この事に起因して問題もあるため、少しだけ取り上げておきます。

1971年に「中華人民共和国に中国代表権を移す」と国連での国際連合総会決議2758で決定したことにより、中華民国は国連とその関連機関から脱退しました。
このころは東西冷戦の関係で、非常に複雑な国際情勢にありました。

日本は「中華人民共和国」の国連加盟は賛成だが「中華民国の議席追放」は反対と、二重代表制を提案しますが、この案は国連で否決されてしまいました。

この当時の日本の案は、現在の日本人の感覚に最も近いように感じます。台湾は一つの国ですし、中華人民共和国は、巨大な地域を治めている一つの別の国として認めています。

WHOの問題


国連から脱退したことにより、WHO(世界保健機関)に参加できていません。

2021年現在、世界はコロナウイルス(Covid-19)との激しい戦いが繰り広げられている真っ最中です。そんな中、ワクチンの問題など、様々なことを国際的に話し合う場であるWHOの総会に、台湾は参加することもできない状況です。
この件については、中華人民共和国(中国)による妨害工作があるとされ、台湾政府は強い抗議をしており、台湾支援のため日本がワクチンを提供すると、そのことについても中国からは非難されるという状況です。

国際連合の決議に納得できず、やむなく脱退したものの、この問題をはじめ、我々の知らない様々不便なことがまだまだありそうです。

尖閣諸島における領土問題


さて、最も驚いたこの問題にも触れなければならないかなと思います。

尖閣諸島というのは、日本の昔からの国土ですが、中国が領有権を主張していて、日本国内でも何度かニュースになって放映されていることから、知っている人も多いのではないかと思います。

中国だけでなく台湾も領有権を主張


この「尖閣諸島」の領有権については、「台湾」も主張しています。

この事については、多くの日本人が知らない、または見ないふりをしているといった状況じゃないでしょうか。まぁそもそも、日本政府の対応としては、「尖閣諸島に領土問題は存在しない」という認識とされているみたいですが…。

日本でも知られている、現在の中華民国総統の「蔡 英文」氏も、「尖閣諸島は中華民国の領土である」との主張です。



日本の正当性について


尖閣諸島については、日本の正当性を明らかにする資料が外務省から公開されていて、一般の人も読むことができます。

一般の人が見ても分かりやすい、よくできた資料になっていると思います。

その中で、日本の主張として、以下の5点について解説が行われています。

  1. 1951年のサンフランシスコ(SF)平和条約で日本は台湾を放棄。
    尖閣諸島は日本領として残される。→ 中国・台湾は異議を唱えず。
  2. 中国・台湾は石油の存在が指摘された後の1971年に初めて「領有権」を主張。
  3. 1972年の日中国交正常化の際,また,1978年の日中平和友
    好条約の交渉の際,尖閣諸島「棚上げ」の合意はない。
  4. 歴史的にも中国・台湾の実効支配の主張を裏付ける根拠はない。
  5. 日本は東シナ海を「平和・協力・友好の海」にすべく努力してきた

まぁ国際的にみても、どうやっても日本の領土であることは揺るぎないのですが、石油が出てしまったことで、人の欲望を駆り立ててしまった、という状況です。

この石油のでることが分かった地域について、中国は法的根拠はなく「実効支配」しようとしていて、現場では一触即発状態です。


この領海を守るために漁業を続けてくださっている方には、本当に頭が下がります。

沖縄返還の際に、明確に日本へ帰属することが明記されてはいますが、中国の強硬策に対して、平和的な解決が本当に可能なのでしょうか。そして台湾は本件どうするつもりなのか、今後も予断を許さない状況です。

尖閣問題の台湾主張に対する個人的見解


本当に残念に思います。
もうその一言です。
正直知りたくなかったです。

まとめ


台湾という国は、歴史上日本と非常に密接な関係があり、今は民主的な素晴らしい国となっていて、共に今後の未来を協力して進んでいければいいなと、心から思っています。

今回色々調べて、残念に思うところや、驚くこともありましたが、それでもお互い話し合って解決していけそうだと思います。

中国との複雑な歴史背景もより多く学び、現在の軍事的な緊張などについても、正確に自分の意見を持てるように努力しようと、改めて感じました。

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