発展した科学でも解明が難しい竜巻
執筆時点は2021年ですが、今年の12月にはアメリカで竜巻により大きな被害が出たことがニュースで報じられました。
アメリカは元々竜巻大国で、世界中の竜巻の8割がアメリカとされることもあり、その数は年間1000個以上とのことです。日本でも発生することはありますが、年間20件弱程となっています。
竜巻のニュースから竜巻の動画などを渡り歩いていると、「竜巻の発生メカニズム」を詳しく知らないことに気が付き、調べてみることにしました。結論から書いてしまいますが、現在も詳しくは解明されていないようです。
今回は、今年のアメリカの竜巻のニュースと共に、少し竜巻について詳しく見ていくことにします。
発生時期が異常
2021年12月にアメリカで発生した竜巻ですが、例年にない程の被害が発生したことで日本でも広く知られています。そもそもアメリカは竜巻が良く発生する国なので、日本人からするとよくある事と思ってしまいそうです。
しかし、今回の竜巻被害は色々と例年と異なることがあり、その一つが「発生時期」です。
アメリカの竜巻は、例年だと「5月~6月」に発生します。北極側からの寒い空気と南のカリブ海周辺の暖かい空気によって大気が不安定になるためと考えられています。しかし、今年発生した竜巻は12月と冬の時期で、例年とは異なる時期に発生していて、この事が被害を拡大させたと見ることもできるでしょう。
発生年度 | 時期 |
---|---|
例年 | 5月~6月 |
2021年 | 12月 |
発生地域が異なる
アメリカでは多くの竜巻が毎年発生しますが、その多くは「竜巻街道」と言われる地域で発生します。
竜巻街道というのは俗称的な物で、公式にはその地域は定義されていないようですが、概ね「ロッキー山脈とアパラチア山脈の間」とされているようです。地図にすると以下のようなエリアになります。
しかし、今回発生した竜巻の経路はこの地域よりも東に大きくずれていました。
普段から竜巻を警戒している地域でもないため、避難などに遅れが出たりするなど、想定以上の被害拡大につながったと考えられます。
気候変動による影響も考えられる
アメリカの気象関係者達も、このような気圧配置や竜巻発生はこれまでにも経験がないとのことで、地球の気候がこれまでと違う挙動になっていっていること(気候変動)の一つとも考えられています。
そもそもアメリカでは気候変動の影響も大きく、海面上昇によって水没しつつあるホワイトハウス近くの公園については過去にも記事にしています。
以下の記事内 : 水没しつつあるワシントン | 温暖化対策は急務
海水温度が上昇し、それに伴い各地の空気の温度も変化することになり、例年とは異なる場所や季節で低気圧が発達したり、今回のような竜巻が発生したりという予測不能な気象現象へと繋がっているとされています。
地球温暖化や気候変動について、各国が様々な対策を行っていっていますが、現在の対策は悪化を遅くする対策だけで改善はしないため、こういった気候変動に伴う自然災害は毎年激化する一方という予測です。
現在の竜巻発生に対する見解
今年のアメリカの竜巻ではなく、日本などで発生する一般的な竜巻については、ある程度研究も進んでおり、発生のメカニズムについても推測がされています。
現在の推測では、竜巻の基となるのは地表付近の空気の渦で、それが上昇気流に引っ張られる形で上に伸びあがると、渦の半径が狭まり回転速度が上がることで竜巻となる、ということになっているようです。
渦が細くなることで回転速度が速くなるというのがメカニズムの基本のようです。
しかし、竜巻で私たちがよく見る雲は、上から伸びてきて地上に降り立つようなイメージがあり、このメカニズムとはどうも一致しません。
竜巻の垂れ下がっている雲は、「漏斗雲」というようで、これは膨張して温度が下がった高湿度な空気が下がってきて発生するということで、竜巻の風の部分とは異なるメカニズムのようです。
研究は進められているものの、未だ不明な点が多い竜巻は、不謹慎ながら少し興味深いと思ってしまいます。
竜巻の映像
竜巻について色々調べていたら、Youtubeのオススメにやたら再生数が高い海外の竜巻映像が出てきました。見てみるととても迫力がある竜巻を、かなり近い位置から撮影されており、安全と分かっていながらも少し恐怖を感じる程でしたので、ここで紹介しておきます。
まとめ - 発展した科学でも解明できないことがある -
竜巻の原因も解明できない科学力の私たちは、普段の生活では地球を制したかの如く振舞っています。
こんな人類が地球温暖化を止めるとか、気候変動への対策とか言っている訳なので、当然予測しきれていない様々な問題が頻発するわけです。
現在地球環境を悪化しているためにヴィーガンとか色々な思想や方法が生まれ、少しでも協力したいとその方法を実践する人たちもいるでしょう。私もなかなか生活を変えることはできていませんが、同じ気持ちではいます。
しかし、それらの方法も不完全な人間が考えた不完全な方法であることを忘れてはならないでしょう。何もしないよりは当然ましですが、それをすれば解決ではなく、気候変動による生活への影響は確実に日々悪化します。
十分な備えや、最新の研究などにもアンテナを張り最善の努力をすることが、今の世の中を生きる人たちには必要なのでしょう。
コメントを投稿